Windowsの更新後に突然セキュリティ機能が働き過ぎて大切な開発ツールまで止めてしまい、設定を無効化したいけれど手順がわからず困っていませんか?
ここでは長年の開発現場で培った実体験をもとに、トラブルを起こさずに保護機能を一時停止し、作業後に安全に戻す方法を順序だてて紹介します。設定画面だけでなく、グループポリシーやPowerShellなど場面に合わせた選択肢をまとめ、混乱しやすい警告表示への対処法も添えています。
手を止めずに環境を整えたいとき、正しい手順を把握していれば不要なリスクを避けられます。今すぐ手引きを参考にして、ご自身のPCで必要な保護だけを残す最適な設定へ進んでください。
Windowsセキュリティを無効化する具体的な手順

Windowsセキュリティを無効化する方法は大きく分けていくつかあります。手軽に設定画面から切り替える方法や、コマンドやレジストリを使って自動化できる方法まで用途に合わせて選べるのが特徴です。
- Windowsセキュリティ画面から一時的に無効化:保護機能を手動でオフにする手順が最も簡単です。
- ローカルグループポリシーエディターで無効化:企業やテスト環境で複数台に一気に設定を反映しやすい方法です。
- PowerShellコマンドで無効化:スクリプト化して定期的に設定をチェックしたり、複数マシンをまとめて操作したりできます。
- レジストリ編集による恒久的無効化:再起動後も設定が維持され、GUI操作を省略できるのがメリットです。
エンジニア視点のアドバイスとしては、テスト環境や開発マシンでのみ無効化し、本番環境への影響を避けるようスクリプト実行前に環境判定を入れると安心です。
設定アプリからサクッとオフにする

Windows 11の設定アプリを使えば、アイコンをクリックしてポチポチ操作でオフにできるので、コマンドや専門的な知識がなくても安心して試せます。ウィンドウズセキュリティを一時的に無効化して動作確認したいときや、インストールしたアプリが邪魔されないようにするときにぴったりの方法です。管理者権限があればすぐに切り替えられるうえ、作業が終わったら同じ手順でパパッと元に戻せるのが強みです。
①スタートボタンを右クリックして設定を開く
画面左下にあるWindowsロゴのスタートボタンの上にマウスカーソルを移動させてください。そのまま右クリックします。
現れたメニューの中から「設定」を選んでクリックすると、Windows設定画面がすぐに開きます。
タッチ操作の端末ではスタートボタンを軽く長押しするとメニューが開きます。
②プライバシーとセキュリティを選ぶ
設定画面のサイドメニューからプライバシーとセキュリティをクリックします。ここにウイルス対策やファイアウォールなどの設定へのリンクがまとまっているので、次の画面へスムーズに移動できます。
③Windowsセキュリティをクリックする
設定画面の左側にあるメニューからWindowsセキュリティを探してクリックします。項目が見当たらないときは、スクロールで隠れた部分を探してみてください。
④ウイルスと脅威の防止を開く
スタートボタンを右クリックしてメニューからWindows セキュリティを選びます。その画面で左側メニューのウイルスと脅威の防止をクリックすると、関連設定やスキャンオプションが表示されます。
⑤リアルタイム保護のスイッチをオフにする
「ウイルスと脅威の防止」の画面で「設定の管理」をクリックします。
「リアルタイム保護」という項目のスイッチをクリックしてオフに切り替えてください。
リアルタイム保護をオフにするとマルウェア検出が無効になるため、テスト後は必ずオンに戻してください。
グループポリシーでガッツリ止める

Windows10ProやEnterpriseを使っているなら、最も力強くWindowsセキュリティを止められるのがグループポリシーを使う方法です。レジストリをいじらずに設定画面からオフにできるので、間違いも少なく安心です。
テスト環境で開発中にウイルススキャンが勝手に動いてファイルが隔離されるトラブルを防ぎたいときや、社内PCを一括で無効化して管理したいときにおすすめです。
- 起動時から確実にオフ:再起動しても保護機能が働かないので、うっかりオンに戻る心配なし。
- 画面操作だけで完結:専門用語が少なく、クリック中心で設定できるので初めてでも安心。
- 企業向けに一括管理:AD環境なら他のPCにも同じポリシーを配布できて便利。
①検索ボックスにgpedit.mscと入力して開く
画面左下の虫眼鏡アイコンをクリックして検索ボックスを表示します。
「gpedit.msc
」と入力してEnterキーを押します。
候補に「ローカルグループポリシーエディター」が出たらクリックします。
Windows Homeエディションでは「gpedit.msc」が利用できないことがあります。
②ローカルコンピュータポリシーで管理用テンプレートを展開する
- エクスプローラーで「C:\Windows\PolicyDefinitions」フォルダーを開く。
- 最新の.admxファイルと対応する言語フォルダー(ja-JP.admlなど)が揃っているか確かめる。
- 不足している場合はマイクロソフト公式サイトからAdministrative Templatesをダウンロードして展開する。
- 「gpedit.msc」を管理者権限で起動し、「コンピュータの構成>管理用テンプレート」に新しいテンプレートが反映されているか確認する。
言語ファイルが合わないと項目が抜けることがあるため、.admxと.admlのペアを必ず確認してください。
③Windowsコンポーネントを開く
WindowsキーとRキーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」を呼び出してください。
入力欄にoptionalfeatures
と正確に入力してから[OK]をクリックします。
管理者権限がない場合は「この操作を実行する権限がありません」と表示されるので、管理者アカウントでサインインして再度試してください。
④Microsoft Defender Antivirusを探してダブルクリック
一覧からMicrosoft Defender Antivirusを探してダブルクリックします。名前はアルファベット順で並んでいるので、先頭の名前列をクリックしてMまでスクロールするとすばやく見つかります。
⑤Microsoft Defender Antivirusを無効に設定にする
スタートメニューを右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選んでください。
以下のコマンドをコピーして貼り付け、Enterキーを押してください。
Set-MpPreference -DisableRealtimeMonitoring $trueこれでDefenderのリアルタイム保護が無効になります。
Windowsセキュリティアプリを開き、「ウイルスと脅威の防止設定」から「タンパー保護」をオフにしてください。
PowerShellで一瞬で切り替える

PowerShellを使うとマウス操作なしで、コマンド一発でWindowsセキュリティのオン・オフを切り替えられます。バッチファイルにまとめておけば、毎回同じ手順を繰り返さずにサッと切り替えられるのが嬉しいポイントです。
プログラマーらしくスクリプトで管理したい場合や、複数台のPCで同じ手順を繰り返したい場合にもピッタリです。管理者モードで開いてコマンドを実行すれば、即座に設定が反映される快適さはクセになります。
気をつけたいのは、管理者モードでないと動かないことと、コマンドミスで想定外の設定変更が起こる可能性がある点です。コピペするときは不要なスペースが入らないようにしてください。
①検索ボックスにPowerShellと入力して管理者として実行
タスクバーの検索アイコンをクリックします。検索ボックスにPowerShellと入力してください。表示されたPowerShellを右クリックして「管理者として実行」を選びます。ユーザーアカウント制御のダイアログが出たら内容を確認して「はい」をクリックすると、管理者権限のPowerShellが立ち上がります。
②Set-MpPreference -DisableRealtimeMonitoring $trueを入力してEnter
開いている管理者権限のPowerShellにSet-MpPreference -DisableRealtimeMonitoring $trueと入力してください。
コマンドを打ち間違えていないかしっかり確認したらEnterキーを押します。これだけでWindowsセキュリティのリアルタイム保護がさっとオフになります。
③操作が終わったらexitと入力して閉じる
コマンド入力が完了したら、プロンプトにexitと入力してEnterキーを押してください。
ウィンドウを閉じずに放置すると変更が反映されないことがあるので注意してください。
無効化で広がるちょっとお得な使いみち

Windowsセキュリティをオフにすると、思わぬところで助かる場面が増えます。ここでは実際に試してみてわかった、ちょっとお得な活用例をまとめました。
活用シーン | お得ポイント |
---|---|
ゲームパフォーマンスの最大化 | バックグラウンドで走る保護プロセスを減らせるので、フレーム落ちが軽減しやすいです。 |
動画エンコード時間の短縮 | ウイルスチェックの間を待たずに連続処理できるため、書き出し時間が数分縮まる体感があります。 |
仮想マシンのスムーズな起動 | Hyper-VやVirtualBoxでゲストOSを動かす際、ディスクアクセスがサクサク動くようになりました。 |
レガシーソフトのインストール検証 | 古いドライバーや署名のないアプリもシームレスに導入できるので、検証環境の構築がラクです。 |
ファイアウォールだけを素早くオンオフする小技

作業中だけファイアウォールをサッと無効化したい場面に役立つ小技があります。管理者権限で起動するショートカットに「netsh advfirewall set allprofiles state off」と「netsh advfirewall set allprofiles state on」をそれぞれ登録するだけで、ダブルクリックひとつでオン/オフを切り替えられます。設定画面を開く手間が省けるので、テストやデバッグ時にパパッと制御できて便利です。
通知領域の盾アイコンを右クリックしてファイアウォールとネットワーク保護を開く
画面の右下、時計のそばにある盾アイコンを探しましょう。もし見当たらないときは、隠れているアイコン表示部分をクリックすると出てきます。見つけたら右クリックしてメニューを表示し、「ファイアウォールとネットワーク保護」を選んでください。これだけで設定画面がパッと開きます。
アクティブなネットワークのプロファイルをクリックしてスイッチを切り替える
Windowsセキュリティの「ファイアウォールとネットワーク保護」で、現在接続中のネットワーク(プライベート、パブリック、ドメインなど)のラベル下にアクティブと表示されたプロファイル名をクリックします。
表示された詳細画面で「Microsoft Defender ファイアウォール」のスイッチをオフに切り替えてください。選んだネットワークでの保護機能が停止します。
ファイアウォールをオフにすると外部からの攻撃を受けやすくなるため、作業が終わったら忘れずにスイッチをオンに戻してください。
開発中だけリアルタイム保護を自動で戻すワザ

開発作業中にだけウインドウズセキュリティのリアルタイム保護をオフにして、作業が終わったら自動でオンに戻す仕組みを取り入れてしまいましょう。PowerShellスクリプトとスケジュール機能を組み合わせると、保護の切り替えがワンクリックで完了して安心です。
- 手間いらず:開発開始と終了のタイミングで自動で切り替わるので操作は不要
- 安心感アップ:作業後に確実にリアルタイム保護が復活する
- 応用自在:複数プロジェクトに共通のスクリプトを使い回せる
PowerShellでStart-Process powershell -Verb runAsを呼び出す
スクリプトの先頭に次のコードを入れると、管理者として実行されていない場合に自動で昇格プロンプトを出して再起動できます。
if(-not ([Security.Principal.WindowsPrincipal] [Security.Principal.WindowsIdentity]::GetCurrent()).IsInRole([Security.Principal.WindowsBuiltInRole] "Administrator")) { Start-Process powershell -ArgumentList '-NoProfile -ExecutionPolicy Bypass -File `"$PSCommandPath`"' -Verb RunAs; exit }
このコードは、スクリプトのフルパスを自動で取ってきて同じファイルを管理者権限で立ち上げます。
PowerShellバージョンが5.0未満だと$PSCommandPath
は使えません。
タイマー付きスクリプトでDisableRealtimeMonitoringを実行し60分後にEnableに切り替える
ここではリアルタイム保護を一時的にオフにして、60分後に自動でオンに戻す小さなスクリプトを紹介します。プログラマー視点でサクッと設定できるので、作業中の邪魔を避けたいときに便利です。
スタートボタンを右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選んでください。権限が必要なので注意です。
下記のコードをコピーして貼り付け、Enterキーで実行してください。リアルタイム保護がオフになり、60分後に自動でオンに戻ります。
Set-MpPreference -DisableRealtimeMonitoring $true
Start-Sleep -Seconds 3600
Set-MpPreference -DisableRealtimeMonitoring $false
スクリプトを実行中はPowerShellを閉じないようにしてください。閉じるとタイマーが止まってしまいます。
よくある質問

- Windowsセキュリティをオフにしても問題ありませんか?
-
ソフトの動作を確認するときなど、一時的にオフにするのは大丈夫です。ただしネットに接続したままだとウイルスのリスクが高まるので、作業中はできるだけオフラインにするか信頼できるネットワークだけ使うようにしてください。
- 無効化した設定はどうやって元に戻せますか?
-
手順を逆にたどるだけで簡単にオンに戻せます。セキュリティ設定画面から「リアルタイム保護」を有効にして、スキャンも再開すればいつもの状態に戻ります。
- 常に無効化する方法はありますか?
-
グループポリシーエディターやレジストリを使えば可能ですが、Windows Homeではグループポリシーが使えない場合があります。プログラマー視点では作業用の仮想マシンを用意してそこで設定を変えると、安全に試せます。
- セキュリティを無効化しても大丈夫な場面は?
-
テストスクリプトを動かしたいときや、自作ツールの動作確認をするときなどです。普段は必ず有効に戻すようにして、誤って悪意あるファイルを開かないようにだけ気をつけてください。
無効化したままだとウイルスにすぐ感染しますか?
セキュリティ機能を切っただけで、すぐウイルスに感染するわけではありません。ただ、外部から入ってくるファイルを自動でチェックする「見張り役」がいなくなるイメージなので、危ないサイトをうっかり開いたり迷惑メールの添付ファイルを開くと、一発でヤバいマルウェアが忍び込む可能性があります。
普段のネット閲覧やファイル操作は自己責任になるので、安全を重視するなら仮想マシンやサンドボックス上で試すのがおすすめです。実験が終わったら忘れずにWindowsセキュリティをオンに戻して、定期的なスキャンも行いましょう。
再起動したら自動で戻るのはなぜですか?
- 再起動したら自動で戻るのはなぜですか?
-
Windowsセキュリティには「セルフヒーリング機能」があり、一度無効化しても再起動時にシステムが状態をチェックして自動で有効化に戻します。
この動きを止めたいときは「サービス」画面を開き、Microsoft Defender ウイルス対策サービスの「スタートアップの種類」を「無効」に変更してから再起動すると設定が維持できます。
無料の代替セキュリティソフトは何を入れたらいいですか?
Windowsセキュリティをオフにして実験するときは、何かしらの自衛策があると安心です。市販の有料版をいきなり導入するのは勇気がいるので、まずは無料版から試してみるのがおすすめです。
- Avast Free Antivirus:幅広いウイルス検知とわかりやすい操作画面が魅力です。
- AVG AntiVirus Free:動作が軽くて最新の定義ファイルに自動更新される安心感があります。
- Bitdefender Antivirus Free:バックグラウンドで静かに動作し、PCの負荷が少ないのがうれしいポイントです。
- Windows Defender Offline:オフライン環境でブート前にマルウェアを検出できる専用ツールです。
複数のセキュリティソフトを同時に入れると動作が不安定になることがあるので、ひとつだけを選んでください。
まとめ

ここまで、Windowsセキュリティの無効化手順をわかりやすく紹介しました。設定アプリからリアルタイム保護をオフにする方法や、サービス停止、レジストリ操作を活用して一時的にセキュリティ機能を止める手順を実際の画面キャプチャやコマンド付きで解説しました。
試したいアプリの動作確認やトラブルシューティングに合わせて、一番使いやすい方法を選べば安心です。作業後は必ずWindowsセキュリティを再度有効化して、普段使いではしっかり守られる環境を維持してくださいね。