Windowsを起動するたびロック画面でパスワードを要求され、外出前の急ぎのときに「もうなしにできないのかな」と感じることはありませんか。
設定を少し調整するだけで起動直後にデスクトップが開き、メール確認や資料作成へすぐ移れます。自動サインインのポイントと安心してオンオフを切り替えるコツを押さえれば、作業効率と安全性を両立できます。
手元のパソコンで試せるやさしい手順を順に紹介しますので、画面を見ながら一緒に操作し、待ち時間のない快適なスタートアップを実感してください。
Windowsロック画面のパスワード入力をまるごと省くやってみた手順

Windowsのロック画面でいちいちパスワードを入力するのがめんどうに感じるときがありますよね。ログイン時の手順をまるっと省略するにはいくつか方法がありますので、まずは全体像を見てみましょう。
- 設定アプリのサインインオプションをオフ:Windows ProやEnterpriseで手軽に設定可能な方法です。
- netplwizコマンドを使う:Homeエディションでも利用できる定番テクニックで、自動サインインを設定できます。
- レジストリを直接編集:最も強力ですが、慎重な操作が必要なのでバックアップを取ってから行いましょう。
それぞれメリットと注意点があるので、自分のWindowsエディションや運用スタイルに合わせて選ぶと安心です。次からは各方法のポイントと手順を、実体験を交えながらわかりやすくご紹介していきます。
パソコン起動時のパスワードを外すnetplwizのやり方

起動のたびにパスワードを入力するのがちょっと面倒という場合、netplwizを使う方法が便利です。このツールを使うとWindowsに標準で備わるユーザーアカウント管理画面からパスワード入力をオフにできるので、別途アプリを入れる必要もありません。
手順はWindowsキー+Rで「netplwiz」と打ち込んでツールを開き、対象のユーザー名から「ユーザーはこのコンピューターを使うには~のパスワード入力が必要」というチェックを外すだけ。とってもシンプルなので、初めての人でも迷わずに設定できます。
ただし起動直後の無防備状態が長くなるぶん、外出先や共用環境ではセキュリティが下がる点に注意が必要です。自宅や開発用マシンなど、安全が担保できる場所で使うのがおすすめですよ。
①スタートボタンを右クリックしてファイル名を指定して実行をひらく
画面左下のスタートボタンにマウスポインターを合わせ、そっと右クリックします。
Windows11だとアイコンが中央寄せですが、角度を変えず同じ操作でOKです。
表示されたメニューの中からファイル名を指定して実行を選んでクリックします。
初めての場合は項目が見つけにくいかもしれませんが、リストを下にスクロールせずに探すと楽ですよ。
②netplwizと入力してEnterキーを押す
開いた「ファイル名を指定して実行」ダイアログの入力欄にnetplwiz
と入力してEnterキーを押してください。この操作でユーザーアカウント設定画面がすぐに立ち上がります。
③ユーザーアカウント画面で自分のユーザーを選ぶ
「ユーザー アカウント」のウインドウが開きます。表示された一覧から自分が普段使っているアカウント名をクリックして選択してください。Microsoftアカウントなら登録しているメールアドレスが目印になります。
管理者権限を持つアカウントを選ばないと、次の自動サインイン設定がうまくいかないことがあります。
④ユーザーがこのコンピューターを使うには名前とパスワードの入力が必要のチェックを外す
「Windowsキー+R」を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
テキストボックスにnetplwiz
と入力してEnterキーを押します。
表示された「ユーザーアカウント」画面でユーザーがこのコンピューターを使うには名前とパスワードの入力が必要のチェックを外します。
チェックを外したら「適用」をクリックします。続いて自動ログインさせたいアカウントのパスワードを二回入力して「OK」を押します。
管理者権限がないと設定できないので、あらかじめ管理者アカウントでサインインしてください。
⑤表示されたパスワード入力画面に現在のパスワードを2回入力してOKを押す
画面に現れた2つの入力欄に、いずれも今お使いのパスワードを正確に入れてください。同じ文字列を続けて入力するとチェックが通ります。入力ミスを防ぐにはまちがいそうな文字だけ一文字ずつ慎重に確認すると安心です。両方入力が終わったらOK
ボタンをクリックします。
もしキー入力がうまくいかないときは、タブキーで次の欄に移動してから入力すると手早く切り替えられます。
⑥パソコンを再起動して自動サインインになるか確かめる
作業中のデータは保存してから、スタートボタン→電源アイコン→再起動をクリックしてください。再起動後、ログイン画面をスキップしてサインイン画面なしでデスクトップが表示されれば設定完了です。うまくいかない場合は、前の手順で入力したユーザー名やパスワードが間違っていないか確認してみてください。
スリープからの復帰でパスワードを求められない設定

スリープから復帰したときにパスワードを求められないようにできる設定です。デスクに戻るたびに入力する手間がなくなり、軽快に作業を再開できます。
Windowsの設定画面で数クリックで変更できるうえ、再起動や難しい操作が不要なので、初めてでも安心して扱えます。さらにPowerShellを使った自動化もできるので、プログラマーならではのカスタマイズも楽しめます。
①スタートボタンから設定をひらく
デスクトップ画面の左下にあるWindowsマークのスタートボタンをクリックし、歯車アイコンの設定を選びいます。
②アカウントを選んでサインインオプションをクリック
タスクバー左のスタートボタンをクリックしてメニューを開き、画面上部にある自分のアカウントアイコンを探します。
アイコンを選択すると小さなメニューが出るので、その中からサインインオプションをクリックしてください。
この操作でパスワード入力を省くための設定画面にスムーズに移動できます。
③サインインを求めるのプルダウンでなしを選ぶ
「設定」→「アカウント」→「サインインオプション」を開いてください。
「追加の設定」にある「サインインを求める」プルダウンをクリックしてなしを選びます。
パスワード入力がなくなると第三者が操作できる可能性があるので、家庭用PCや信頼できる環境でのみ利用してください。
④設定ウインドウを閉じてスリープ復帰を試す
画面右上の「×」ボタンをクリックして設定ウインドウを閉じます。
スタートボタンをクリックし、「電源」アイコンを選択して「スリープ」をクリックします。
数秒待ってキーボードやマウスを動かすか、電源ボタンを軽く押して復帰させます。
パスワード入力画面が表示されず、ロック画面をスキップできれば設定が反映されています。
スクリーンセーバー解除時のパスワードをオフにする手順

ちょっと席を離れてすぐ戻りたいときに、スクリーンセーバー解除でいちいちパスワードを打つのは正直めんどうですよね。
設定画面から「再開時のサインイン要請」をオフにするだけで、戻った瞬間にぱっとデスクトップが出るようになります。管理者権限でサクッと切り替えられるので、作業効率がグッとアップしますよ。
ただし、自宅や職場の共有パソコンなど、ほかの人のアクセスが想定される環境ではオフにするとセキュリティが甘くなるので注意してください。
①デスクトップを右クリックして個人用設定を開く
デスクトップの何もない場所で右クリックします。メニューが表示されたら下のほうにある「個人用設定」を探してクリックしてください。これで個人用設定画面がパッと開きます。
②ロック画面を選びスクリーンセーバー設定をクリック
デスクトップの何もないところを右クリックし、メニューから個人用設定を選びます。
左側の一覧からロック画面をクリックし、表示された画面を下にスクロールしたあとにスクリーンセーバー設定をクリックします。
③再開時にログオン画面に戻るのチェックを外す
スタートボタンをクリックして設定アプリを開きます。
「アカウント」を選んでから「サインインオプション」をクリックします。
「再開時にログオン画面に戻る」というスイッチをオフに切り替えてください。
④OKを押して変更を保存する
変更内容を確定するために、ダイアログの右下にあるOKボタンをクリックします。これで設定がすぐに反映され、次回からロック画面のパスワード入力がスキップされます。
自動ログインを活かしてもっと快適にするプチ応用アイデア

自動ログインを設定したあとは、ちょっと工夫してもっとラクに使いこなせます。実際に試してみて便利だったプチ応用アイデアを紹介します。
応用アイデア | 効果 |
---|---|
自動起動アプリ | パソコン起動と同時に毎日使うアプリを立ち上げて作業開始がスムーズになります |
ピクチャパスワード併用 | 顔認証やスワイプ操作だけで解除できて入力の手間が減ります |
定時ロック解除 | 指定した時間帯だけ自動ログインを有効にしてセキュリティを両立できます |
リモート接続準備 | VPNやリモートデスクトップをあらかじめ起動しておいて外出先ですぐアクセス可能に |
このように自動ログインとちょっとのひと手間を組み合わせるだけで、毎日のパソコン生活がグッと快適になります。
高速スタートアップと組み合わせて電源オンから5秒でデスクトップ

高速スタートアップをオンにするとパソコンが休止状態を利用して素早く立ち上がります。サインイン不要の設定と合わせれば電源を入れてから約5秒でデスクトップが表示されてワクワクの作業スタートです。
- 電源オン後すぐにデスクトップが表示されるから待ち時間がほぼゼロ
- アプリやファイルに高速アクセスできて作業効率がぐっとアップ
- 実体験で感じたレスポンスの良さが手放せない
①電源オプションで高速スタートアップをオンに切り替える
画面左下のスタートボタンを右クリックして「電源オプション」を選びます。
「電源とスリープ」設定画面の右側にある「追加の電源設定」をクリックします。
左メニューの「電源ボタンの動作を選択」をクリックし、現在利用可能ではない設定を変更しますを押します。
一覧に表示される「高速スタートアップを有効にする」にチェックを入れて「変更の保存」をクリックすれば完了です。
②シャットダウンではなくスリープを多用して素早く復帰する
シャットダウンすると起動に時間がかかるので、スリープを使うとメモリ上の状態をキープしたまま瞬時に再開できます。プログラマーならではの視点だと、数分ごとのテスト実行やエディタの開きっぱなし状態をそのまま保てるのが助かります。
スタートボタンを右クリックして「設定」を選び、「システム」→「電源とバッテリー」→「画面とスリープ」をクリックします。
「電源に接続時」「バッテリー使用時」のスリープまでの時間をお好みで設定して、手間なく自動でスリープするようにします。
作業中に急いでスリープしたいときは、Win+Xキーを押してU→Sと入力するとメニューからすぐスリープできます。
自動サインイン後によく使うアプリを自動起動させる

おなじみのアプリを毎回手動で立ち上げるのはちょっと面倒ですよね。自動サインインが完了したあとにお気に入りアプリがぱっと起動すると、作業のスタートがさらにスムーズになります。
アプリを自動起動させる方法は大きくスタートアップフォルダーへの登録とタスクスケジューラの活用の二つがあります。それぞれの特徴をサクッと押さえておくと、用途や環境に合わせて選べるので便利です。
- スタートアップフォルダー:エクスプローラーでショートカットを貼り付けるだけ。手軽に設定できて、大抵のアプリは問題なく起動します。
- タスクスケジューラ:ログオン後に遅延時間を設定したり、管理者権限で動かしたりできる。重めのアプリをタイミングをずらして起動したいときに便利です。
①スタートアップフォルダーを開いてショートカットを置く
WinキーとRキーを同時に押してファイル名を指定して実行を開きます。
「shell:startup」と入力してEnterキーを押すとスタートアップフォルダーが表示されます。
あらかじめ用意した自動ログイン用バッチファイル(例:auto-login.bat)のショートカットをここへドラッグ&ドロップしてください。
フォルダー内で右クリック→新規作成→ショートカットを選び、バッチファイル本体を指定してもOKです。
これでWindows起動時にバッチが呼び出され、パスワード入力なしでサインインが進みます。
②タスクスケジューラで遅延起動にして負荷を軽くする
スタートボタンを右クリックし「タスク スケジューラ」を選択します。
右側メニューの「基本タスクの作成」をクリックし、分かりやすい名前を入力します。
トリガーで「ログオン時」を選び、「遅延時間で開始」にチェックを入れて30秒程度を指定します。
アクションを「プログラムの開始」にし、実行したい自動サインイン用ツールやスクリプトを指定します。
「条件」タブで電源接続の制限を外し、必要ならネットワークが利用可能な場合のみ開始に設定して保存します。
遅延時間は短すぎると負荷軽減につながりにくいため、20~40秒程度を目安にしてください。
外出時だけワンクリックでロックを復活させる小ワザ

外出前にパスワード入力をまたオンにしたいとき、設定画面を探し回るのは面倒ですよね。そんなときはデスクトップに置いたワンクリックスクリプトが便利です。
この方法なら外出前にアイコンをダブルクリックするだけでロック画面が復活します。戻ってきたら再び同じボタンでパスワードなしに切り替えられるので、出かけるタイミングだけサッとセキュリティを強化できます。
①Windowsキー+Lで手動ロックのショートカットを覚える
WindowsキーとLキーを同時に押すだけでロック画面に移れます。コードを書いている途中で画面をすぐに隠したいときに、手軽に使える便利ワザです。
②デスクトップにlock.exeへのリンクを置いてすぐ実行できるようにする
エクスプローラーを開き、アドレスバーにC:\Windows\System32
と入力してEnterを押してください。そこにあるlock.exe
が画面ロック用の実行ファイルです。
先ほど見つけたlock.exe
を右クリックし、送る→デスクトップ(ショートカットを作成)を選んでください。これでデスクトップに鍵アイコンのショートカットができます。
さらにアイコンをカスタマイズするなら、ショートカットを右クリック→プロパティ→アイコンの変更からお好きな鍵アイコンを選ぶと、すぐに探せて便利です。
よくある質問

- ロック画面でパスワードを無効にすると安全性が心配です
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パスワードを外すと誰でも操作できるようになるので注意が必要です。ただし、家族や信頼できる人だけが触る環境なら、スマホ感覚でサクッと使えて便利です。外出先や共有スペースでの利用は避けると安心です。
- PINコードを使わずにサインインなしにすると違いはありますか
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パスワードもPINコードも外すと同じく認証なしでログインできます。ただ、PINのほうが短くて覚えやすいので、もし手間を減らしつつ最低限の保護がほしいなら、PINだけ残す方法もあります。好みに合わせて選んでみてください。
- 設定を反映しても自動サインインが動きません
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自動サインインの設定にはPCを再起動するか、一度サインアウトしてから再度サインインしてみると反映されやすいです。レジストリを触る手順では、タイポがあると動かないので、キー名や値が正しいか再確認してください。
自動ログインにするとセキュリティは大丈夫?
自動ログインを有効にするとパスワード入力なしでWindowsに入れるのでとてもラクですが、そのぶんノートパソコンを落としたり盗まれたりすると、手にした人が中身をすぐ見られてしまいます。
パスワードはレジストリに平文で保存されるため、物理的にパソコンを盗まれた場合、ツールを使ってパスワードを取り出されるリスクが高まります。
ただし、自宅など信頼できる環境でかつパソコンを他人に触られない前提なら大きな問題になりにくいです。プログラマー目線だとBitLockerでドライブを暗号化しておくと、パスワードなしで起動されても起動ドライブの中身は守れます。
外出先での利用が多い場合は、自動ログインと組み合わせてPIN ロックや指紋認証だけ残しておくのもおすすめです。そうすると起動は自動でも、スリープ復帰時には生体認証で保護できます。
Microsoftアカウントでもパスワードなしにできる?
Microsoftアカウントをそのまま使ってパスワード欄を空っぽにするのは難しいです。でもWindows Helloの顔認証や指紋認証、あるいはPINを組み合わせれば、実質パスワード入力なしでサインインできます。顔認証や指紋認証はスマホ感覚でサクッと解除できますし、PINはデバイス固有なので安全性も高められます。ちょっとした設定を済ませるだけで、毎回長いパスワードを打ち込む手間から解放されます。
PINを使っているときはどうすればいい?
Windows HelloでPINを使っていると、パスワード省略の設定がうまくはたらかないことがあります。その場合はまず設定アプリの「アカウント」→「サインインオプション」からPINを削除して、従来のパスワードだけでサインインするように戻してみてください。これでパスワードなしサインインの設定もスムーズに反映できます。
Windowsアップデートで設定が元に戻ることはある?
Windowsの大きな機能更新(Feature Update)を入れると、自動サインイン設定やレジストリでのログイン情報がクリアされることがあります。
累積更新プログラム(品質更新)では設定が維持されやすいものの、アップデート後にパスワードなしログインが機能しているか確認してもらえると安心です。
Microsoftアカウントでサインインしている場合は、セキュリティ強化の影響で再度パスワード入力を求められるケースが増えています。
会社や学校のPCでも同じ手順でいい?
会社や学校のPCはIT部門や管理者が設定をコントロールしていることが多く、個人用PCと同じ手順がそのまま使えるとは限りません。
- 管理者権限の制限:レジストリやユーザーアカウントの設定変更ができない場合がある。
- グループポリシーの適用:自動サインインやパスワード省略を禁止するポリシーが設定されていることがある。
- 監視ソフトの導入:設定変更が検知されてログに残る場合がある。
もし社内ルールで制限されているときは、管理者に相談して許可を得るか、許可された方法で作業することをおすすめします。
まとめ

紹介したレジストリ編集と自動サインインの設定を行えば、次回以降はロック画面でパスワード入力なしにするっとログインできます。
もし設定を元に戻したいときも同じ手順で簡単に切り替え可能ですから、お好みに合わせて快適なサインインライフを楽しんでくださいね。