Windowsの画面でZipファイルを扱いたいのに、コマンドがよくわからず毎回手作業で時間を取られてしまい焦っていませんか?
ここでは、現場で何度も確かめた手順と、うっかり陥りやすい落とし穴の回避策をまとめています。ポイントを押さえるだけでクリック操作より速く、しかも確実に圧縮と展開ができるため、ファイル整理の手間がぐんと減ります。
順番通りに読み進めるだけで、学んだコマンドをその場で試しながら自然に身につき、今日から作業時間を大幅に短縮できます。
WindowsZipコマンドを使って圧縮も解凍もマスターする具体的な手順

ファイルをパパッとまとめて圧縮したり,受け取ったZIPをさくっと解凍したりするには,実は二つのやり方を覚えると安心です。プログラマー視点でのお役立ちポイント付きで紹介します。
- PowerShellのCompress-Archive/Expand-Archive:Windows10以降で標準搭載されているPowerShellコマンドでZIPを扱えます。GUIと同じ感覚で使えるため初心者にもやさしいです。
- Windows組み込みのtarコマンド:WSL不要で“tar -a -c -f”や“tar -a -x -f”を使えます。Linuxライクな操作に慣れているとスムーズです。
慣れるまではまずCompress-ArchiveでZIPを作成し,Expand-Archiveで展開する流れを繰り返すと覚えやすいですよ。プログラマー的にはスクリプトに組み込むと自動化もラクになります。
エンジニアの一言アドバイス:ファイル名にスペースや日本語が入るときは,パス全体をダブルクォートで囲むと失敗しにくいです。
これらの方法を覚えれば,WindowsZipコマンドでの圧縮と解凍がグンとラクになります。
PowerShellでZipを操るやさしい方法

PowerShellを開けば、もう別のツールを探し回らなくてもZipがサクッと使えます。最初から用意されているCompress-ArchiveとExpand-Archiveを使えば、ファイルやフォルダを一発でまとめたり元に戻したりできて、とってもスマートです。
どんな魅力があるかというと、まず追加インストールが不要なところです。Windows10以降ならそのままコマンドを打つだけで操作できるので、手間なくすぐに使いはじめられます。
それからファイルの選択もワイルドカードで柔軟に指定できます。たとえばコードだけまとめて圧縮したり、画像だけ取り出したりするときに便利です。バッチスクリプトに組み込めば定期バックアップもお手のものなので、ちょっとした自動化にもぴったりです。
①PowerShellを開いて作業フォルダーに移動する
Windowsキーを押して「PowerShell」と入力し、表示された「Windows PowerShell」をクリックして立ち上げます。
エクスプローラーで作業フォルダーを開き、Shiftキーを押しながら空白部分を右クリックして「PowerShellウィンドウをここで開く」を選ぶと、そのままフォルダーに切り替わるので手間が省けます。
続いて、cd
コマンドで作業フォルダーに移動しましょう。
cd C:\Users\ユーザー名\Documents\work
②Compress-Archiveで好きなファイルをまとめる
フォルダ内の好きなファイルをまとめてzipにしたいときはPowerShellのCompress-Archiveコマンドがとっても頼れます。実際の手順をみていきましょう。
まずエクスプローラーで対象フォルダを開き、アドレスバーに「powershell」と入力してEnterキーを押します。
まとめたいファイル名をカンマ区切りで指定し、出力先を決めてコマンドを入力します。
Compress-Archive -Path file1.txt,file2.png,file3.docx -DestinationPath まとめ.zip
エラーが出なければ同じフォルダに「まとめ.zip」が作成されています。中身を開いてファイルが揃っているか確かめてみましょう。
ファイル名にスペースや特殊文字が含まれるときは、カンマ区切りで指定する各パスをダブルクォートで囲んでください。
③Expand-ArchiveでZipを解凍して内容をのぞく
PowerShellのExpand-Archiveコマンドを使うと、Zipファイルを指定フォルダにサクッと解凍できます。解凍後に中身を確認できるので、ちょっとのぞきたいときにもぴったりです。
Zipファイルがあるフォルダで右クリックし「PowerShellをここで開く」を選びます。フォルダが違う場合は、cd C:\path\to\folder
で移動してください。
Zipファイル名と解凍先フォルダを指定してコマンドを実行します。
Expand-Archive -Path '.\archive.zip' -DestinationPath '.\extracted'
解凍後にフォルダをのぞいてみましょう。次のコマンドで一覧表示できます。
Get-ChildItem -Path '.\extracted'
解凍先フォルダが既にあると中身がマージされるので、事前に新しいフォルダを作っておくと安心です。
④エラーが出たら管理者として再度PowerShellを立ち上げる
画面左下のスタートボタンを右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選んでクリックします。
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と出たら「はい」をクリックして先に進みます。
管理者権限がないとアクセス拒否エラーが続くので必ず再起動してください。
⑤成功したらエクスプローラーでZipと元データを確認する
操作が終わったあと、そのままエクスプローラーで対象フォルダを開いてみましょう。
作成されたZipファイルが期待どおりの名前とサイズであるかチェックし、元のファイルやフォルダが残っているか確かめてください。
もし中身やフォルダ構成が違っていたら、先ほどのコマンドオプションやパス指定を見直すと解決しやすいです。
エクスプローラーでZipをダブルクリックすると仮想フォルダとして開きますが、直接中身を編集すると意図しない動作になることがあります
コマンドプロンプトのtarでサクッとZip操作

コマンドプロンプトだけでZipファイルを作ったり解凍したりできるのがWindows標準のtarコマンドです。余計なツールを追加せずにさっと使えるので、初めての環境構築でも安心してZip操作を始められます。
プログラマー目線で特にうれしいのは、バッチファイルやPowerShellスクリプトに組み込みやすい点です。テンプレート指定やワイルドカード対応でフォルダまるごと圧縮したいときにも手軽に対応できます。
①検索ボックスにcmdと打ってEnterキーで起動する
画面左下の検索ボックスをクリックしてからキーボードでcmdを入力します。
入力したらEnterキーを押してコマンドプロンプトが起動するのを待ちます。
②tar -cf archive.zip 対象フォルダーで圧縮する
PowerShellを起動して、圧縮したいフォルダーがある階層に移動します。
次のように入力して圧縮を実行します。
tar -cf archive.zip フォルダー名
実行後、同じ場所にarchive.zip
が作成されます。
同じファイル名があると上書きされるため注意してください。
③tar -xf archive.zip -C 展開先フォルダーで解凍する
zip形式のアーカイブを指定したフォルダーへ一気に展開できます。
以下のコマンドでarchive.zipを展開先フォルダーへ解凍します。
tar -xf archive.zip -C C:\展開先フォルダー
パスに空白がある場合はダブルクオートで囲ってください。
④dirコマンドでファイルがそろっているかチェックする
まずはZIP前後にファイルがそろっているか、コマンドプロンプトでさくっとチェックしましょう。
作業フォルダへ移動
cd C:\Users\<ユーザー名>\Desktop\zipテスト
フォルダ内の一覧を表示
dir
出力されたファイル名とタイムスタンプを見て、圧縮前後で欠けがないか確認できたら完璧です。ファイル名だけで見るならdir /b
も便利ですよ。
⑤作業が終わったらexitでウインドウを閉じる
作業が終わったらシェル上で
exit
と入力してエンターキーを押してください。これだけで開いていたコマンドプロンプトやPowerShellがすっきり閉じられます。
他にも開いているタブがあれば同じ手順で閉じるとデスクトップが整理できます。
エクスプローラーの右クリックメニューで簡単Zip

エクスプローラーの右クリックメニューを使うと、マウス操作だけでサクッとZipファイルを作れます。ファイルやフォルダーを選択して右クリック→送る→圧縮(zip形式)フォルダーを選ぶだけなので、難しいコマンドを覚える必要がありません。
この方法は専用ソフトのインストールが不要で、誰でもすぐに試せます。複数のファイルをまとめて一度に圧縮できるので、日常のファイル整理から定期的なバックアップ作業まで幅広く役立ちます。
①圧縮したいファイルやフォルダーを全部選択する
エクスプローラーで目的のフォルダーを開いてください。圧縮したいファイルやフォルダーを順番にクリックすると選択できます。連続した範囲なら最初と最後をShiftキー+クリックでまとめて指定できてとても便利です。
②右クリックして送る圧縮Zipフォルダーをクリックする
圧縮したいファイルやフォルダーを選びます。
選択した項目を右クリックしてメニューを開き、送る(N)>圧縮(ZIP形式)フォルダー
をクリックしてください。
ファイル名に日本語や長い文字列が含まれると解凍時に文字化けしやすいです。気になる場合は事前に半角英数字に変更すると安心です。
③作られたZipを右クリックですべて展開を選ぶ
エクスプローラーでZipファイルを右クリックし、すべて展開をクリックします。あとはウィザードで表示される画面に従うだけで、指定した場所にフォルダが自動で作成され中身が展開されます。
④展開先を指定して完了ボタンを押す
展開ダイアログの「展開先」欄をクリックして、ファイルを置きたいフォルダを選びます。
「参照」を押して指定フォルダを確定したら、画面下の「完了」ボタンをクリックします。これで選んだフォルダにファイルが展開されます。
Zipコマンドを使いこなして作業がもっとラクになる応用ワザ

Zipコマンドを使い慣れたら、こんな応用ワザで作業がもっとラクになります。
応用ワザ | どう楽になるか |
---|---|
分割圧縮 | 大きなデータを複数の小さなファイルに分けて取り回しが楽になります |
除外指定 | 一時ファイルや不要なフォルダをスキップして圧縮できるので無駄が省けます |
差分更新 | 変更されたファイルだけをアーカイブに追加できるので時間と容量を節約できます |
ログフォルダーを日付付きで自動圧縮

開発や運用を続けていると、ログファイルが日々どんどんたまっていきます。整理を後回しにすると、探しにくくなるうえに、ディスクの容量が圧迫されてしまうこともあります。
ログフォルダーを日付付きで自動圧縮すると、毎日のログをまとめながらバックアップできるので、手動でファイル名を考えたりフォルダーを整理したりする手間がグッと減ります。定期的に古いログを縮小保存しつつ、日付ごとの管理もばっちりです。
PowerShellスクリプトで日付を付けてCompress-Archiveを走らせる
メモ帳や好みのエディタで新規ファイルを開き、ファイル名を「ArchiveWithDate.ps1」として保存してください。
以下のように日付を「yyyyMMdd」形式で取得し、Compress-Archiveコマンドを使ってファイルを圧縮するコードを記入してください。
$date=Get-Date -Format yyyyMMdd
Compress-Archive -Path 'C:\SourceFolder\*' -DestinationPath "C:\ArchiveFolder\Backup_$date.zip"
実行ポリシーの制限でエラーになる場合は、管理者権限でPowerShellを開いて「Set-ExecutionPolicy RemoteSigned」を一度だけ実行してください。
保存した ps1 ファイルを右クリックして「PowerShell で実行」を選び、指定した保存先に日付付きの zip が作成されることを確認してください。
大量の写真を一瞬でまとめてメールへ

送る写真が山ほどあると、いちいち選んで添付していると時間がいくらあっても足りませんよね。まとめてフォルダーごとZipにしてしまえば一つのファイルになるので、メールの添付欄がすっきり片付きますし、受け取る側も解凍するだけで全ての写真を一気に確認できるので喜ばれます。
WindowsのZipコマンドならエクスプローラーでフォルダーを右クリックして「送る>圧縮 (zip 形式) フォルダー」を選ぶだけでパパッと圧縮完了。プログラムをいじらなくても使える手軽さが嬉しいポイントです。写真がたくさんある場合でも処理は意外と速いので、仕事の合間や休日の思い出整理にもさくっと活用できます。
エクスプローラーで選択して送る圧縮Zipフォルダーでサイズを減らす
エクスプローラーで選択したファイルやフォルダーをまとめてZIP化するときは、右クリックの「送る」メニューがとっても便利です。まずは圧縮対象を整理して、不要なファイルや深い階層を減らしましょう。
不要なファイルやサブフォルダーを外し、できるだけ同じ階層にファイルを置いて選択します。階層が深いとZIPのヘッダー部分が増えてサイズアップするので、平坦化がポイントです。
選択したファイルを右クリックして「送る」→「圧縮Zipフォルダー」をクリックします。これだけでWindows標準のDEFLATE方式で圧縮され、ファイルサイズがぐっと小さくなります。
ファイル名に日本語やスペースが多いとZIP内の文字エンコードでサイズがわずかに増えることがあります。
タスクスケジューラーで毎晩バックアップZipを作成

タスクスケジューラーを使うと、夜間に自動でフォルダを圧縮してバックアップZipを作れるので、手動で操作する手間がまるっと不要になります。
Windowsの「Compress-Archive」コマンドレットをバッチファイルやPowerShellスクリプトにまとめておけば、毎晩決まった時刻に指定フォルダをまとめてくれて安心です。運用中のサーバーや開発中のプロジェクトフォルダなど、大切なデータの取りこぼしを防ぎたいときに特に頼りになります。
定期バックアップのミスをなくしたい、サーバーの負荷が少ない深夜にまとめて処理したいという場面にぴったりの方法です。タスクの失敗通知を設定すれば、何かトラブルがあったときにもすぐ気づけます。
タスクスケジューラーにPowerShellスクリプトを登録して自動実行する
スタートメニューの検索ボックスに「タスクスケジューラー」と入力し、表示されたアプリを選んで起動してください。
右側の「タスクの作成」をクリックし、わかりやすい名前を入力してください。
「トリガー」タブで「新規」をクリックし、実行したいタイミングを選んでください。
「操作」タブで「新規」をクリックし、プログラム/スクリプトに powershell.exe
、引数に -ExecutionPolicy Bypass -File "C:\path\script.ps1"
と入力してください。
「全般」タブで「最上位の特権で実行する」にチェックを入れ、「ユーザーがログオンしているかどうかにかかわらず実行」に設定してください。
スクリプトのパスは必ずダブルクォーテーションで囲んでください。
よくある質問

Windows標準の zip コマンドが見つかりません
- Windows標準の zip コマンドが見つかりません
PowerShell でCompress-ArchiveとExpand-Archiveを使うと ZIP圧縮と解凍ができます。もしコマンドが動かないときは、PowerShellを管理者権限で開いてみてください。Windows10以降なら標準で使えるはずです。
- フォルダ内の一部ファイルだけ圧縮から除外したい
Compress-Archiveでは除外機能がないため、除外したいファイルをあらかじめ別のフォルダに移すか、PowerShellのGet-ChildItemとWhere-ObjectでフィルターしてからCompress-Archiveに渡す方法がおすすめです。
- パスワード付き ZIP を作るにはどうすればいいですか
残念ながらWindows標準では対応していないので、7-Zipをインストールしてから「7z a -tzip -pパスワード 圧縮先.zip 元フォルダ」を使うと簡単にパスワード付きZIPが作れます。
Zipファイルのパスワードはコマンドだけで付けられる?
Windows標準のzipコマンドやPowerShellのCompress-Archiveにはパスワード機能がないため、コマンドだけではパスワード付きZipを作れません。7-Zipのコマンドライン版を入れることで、簡単に暗号化付きZipを作成できます。
7-Zipをインストールしたら、以下のように入力してください。
7z a -tzip archive.zip C:\path\to\* -pYourPassword
長いパスが原因でエラーが出るときはどうすればいい?
長いパスでエラーが出るときは、Windowsの内部制限を回避したりパス自体を短くしたりする選択肢があります。
一つ目はレジストリ設定で長いパスを有効にする方法です。HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystemキーにあるLongPathsEnabledを1に変更するとWindowsがそのまま長いパスを扱えるようになります。管理者権限が必要になります。
二つ目はSUBSTコマンドで深いフォルダをドライブに割り当てる方法です。たとえばsubst X: C:\とても長い\パスを実行すると、Xドライブにアクセスするだけで作業できるのでパスの長さを気にせずにすみます。管理者権限が不要なのも魅力です。
三つ目はUNC接頭辞(\\?\)を付ける方法です。ファイルパスの先頭に\\?\を追加すると最大32767文字まで扱えます。コマンドラインやスクリプトで使えますが、対応しないツールもあるので注意してください。
これらの方法はそれぞれ一長一短なので、管理者権限や使い慣れを考慮して選ぶと安心です。
日本語ファイル名が文字化けするのはなぜ?
日本語ファイル名が文字化けするのはZipの規格が古く、ファイル名をUTF-8ではなくIBM437(欧米向けの文字コード)やShift-JISなどで保存してしまう仕組みになっているからです。Windows純正の圧縮機能や一部のコマンドはこのまま保存してしまうため、解凍時に文字コードが合わず日本語が正しく表示されず文字化けが起こります。
Windows11でも同じコマンドで動く?
Windows11でも、PowerShellのCompress-Archive
とExpand-Archive
はそのまま使えます。OSに最初から備わっているモジュールなので、インストールや設定を追加する必要がありません。
コマンドプロンプトでも、tar -a -c -f archive.zip フォルダ
やtar -a -x -f archive.zip
のように動かせます。Windows10以降はtarコマンドが標準搭載されているので、ZIP操作の幅がぐっと広がります。
いつもの手順を覚えておけば、Windows11でもすぐに圧縮や解凍が完了します。環境が変わっても同じコマンドで動く安心感は、プログラマーならではの心強い味方になります。
まとめ

Windows標準のZipコマンドを使えば、追加のソフトを入れずにさくっとファイルを圧縮できるようになります。
圧縮は Compress-Archive
、解凍は Expand-Archive
を使うだけなので、手順さえ押さえれば毎日の作業がとてもスムーズになります。
ここまで試してみたら、次は実際のプロジェクトでフォルダ丸ごとバックアップしたり、大量のログをまとめたりしてみてください。いつもの作業がちょっと楽しく感じられるはずです。