大切な書類を友人や取引先に送るとき、7Zipで圧縮したはずなのにパスワードの設定方法が分からず手が止まってしまうことはありませんか?
このガイドでは、数え切れないほど繰り返してきた現場の手順を基に、初めて触る方でも迷わず操作できるように、画面を開く位置から安全性を高めるコツまでを段取り良く示します。設定が完了すれば、ファイルの中身をのぞかれる心配が消え、容量も抑えたまま安心して共有できます。
準備はマウスと少しの集中だけで十分です。今すぐ手元のファイルを用意して、手順に沿ってクリックしていけば、安全な送信環境がすぐに整います。
7Zipでファイルにパスワードをかける流れをまるっとガイド

ファイルにパスワードをかけると、社内資料やプライベートデータをまとめて渡すときも安心感が高まります。7Zipなら無料でできて、手順もシンプルです。
- 7Zipを公式サイトからダウンロードしてインストール
- 保護したいファイルやフォルダを右クリックして「7-Zip」→「圧縮…」を選択
- ダイアログの「暗号化」欄にパスワードを入力
- 暗号方式をAES-256に設定し、「ファイル名を暗号化」にチェック
- 「OK」をクリックして完了
7ZipはAES-256暗号方式を採用していて、ファイル名までしっかり隠せる点が心強いです。アーカイブ作成後は必ず解凍テストを行い、パスワードが正しく機能しているか確認してください。
注意:複数ファイルをまとめるときはフォルダごと圧縮しておくと手間が減ります
エクスプローラーから操作するやり方

Windowsのエクスプローラーに7Zipのメニューが追加されるので、対象ファイルを右クリックしてパスワード付き圧縮をサクッと実行できます。アプリを別に立ち上げる必要がないため、整理しながら保護できるのがうれしいポイントです。
プログラマーならではの視点として、エクスプローラー連携を使うとスクリプトやコマンドを準備しなくていいので、ちょっとしたファイル共有のときにさっと暗号化をかけられます。操作が直感的なので、はじめてでも迷わず試せます。
①ファイルやフォルダーをまとめて選ぶ
まずエクスプローラーを開いて圧縮したいアイテムがある場所に移動してください。
複数のファイルやフォルダーを選ぶには以下の方法を使います。
- 連続するアイテムはShiftキーを押しながら最初と最後をクリック
- 離れたアイテムはCtrlキーを押しながら個別にクリック
- フォルダーをまとめて選ぶときはドラッグで範囲選択
選択ができたら次のステップに進みましょう。
②選んだところで右クリックメニューを開く
ファイルやフォルダをクリックで選択したら選択範囲の上でマウスを動かさずにそのまま右クリックしてください。
キーボードだけで操作する場合はShift+F10キーを押すと同じメニューが開けて便利です。
③7-Zip→“圧縮してメール送信”以外をクリック
右クリック→7-Zipを選ぶとサブメニューが開きますので、“圧縮してメール送信”以外にある“圧縮…”または“ファイル名.zipに追加”をクリックしてください。これでパスワード入力欄が表示される画面に進みます。
“圧縮してメール送信”を選ぶとメールソフトが起動して直接送信画面になるため、パスワード設定ダイアログにたどり着けません。
④パスワード入力欄に好きな文字列を打ち込む
パスワード入力欄をクリックして、自分だけがわかる文字列を打ち込みます。英大文字・英小文字・数字・記号をミックスすると解読されにくくなります。たとえばAb3!Xy9#
のように8文字以上にすると安全度がアップします。続けて下の再入力欄にも同じ文字列を入力してください。
CapsLockがオンだと意図しない文字が入力されることがあるため、おかしいと感じたら一度キー状態をチェックしましょう。
⑤OKを押して圧縮ファイルの出来上がりを確認する
画面右下のOKボタンをクリックします。設定したパスワードや圧縮形式が反映された.7zファイルが元フォルダに生成されているか確認しましょう。
パスワードを忘れると解凍できなくなるので安全な場所に控えておきましょう。
7Zipのメイン画面から操作するやり方

7Zipを起動すると現れるウィンドウから直接操作できる方法です。圧縮したいファイルを確認しながら細かい設定を調整できます。
- 視覚的にファイルを選択:見落としを減らして複数ファイルをまとめて処理できる
- 圧縮レベルや方式を自由に設定:速度とサイズのバランスを好みに合わせられる
- 暗号化方式とパスワードを指定:AES-256でしっかり保護できる
- 詳細オプションの利用:スプリットや自己解凍形式もすぐ試せる
①スタートメニューから7-Zip File Managerを開く
画面左下のWindowsロゴをクリックしてスタートメニューを表示してください。検索ボックスに「7-Zip」と入力すると「7-ZipFileManager」が表示されますので、アイコンをクリックして起動しましょう。
②上部のアドレスバーで保存先フォルダーを選ぶ
画面上部のアドレスバーをクリックすると現在の保存先パスが表示されます。フォルダー名を直接入力するか、▼アイコンをクリックして目的のフォルダーを選択してください。
③対象ファイルをクリックしてツールバーの“追加”を押す
7Zipのウィンドウで圧縮したいファイルをクリックして選びます。選択したらツールバー上の追加を押してください。これでファイルが圧縮リストに入って、設定画面が開きます。
④現れたウィンドウでパスワード欄を入力する
ウィンドウが表示されたら、まずパスワードと再入力欄に同じ文字列を入力します。このとき、英大文字・英小文字・数字・記号を組み合わせた長めのパスワードにすると安全性が高まります。
パスワードを忘れると解凍できなくなるため、入力後はコピーしてパスワード管理アプリなどに保存しておくと安心です。
⑤OKを押して完了メッセージをチェックする
ダイアログのOKボタンをクリックすると「設定が保存されました」などの完了メッセージが表示されます。きちんとメッセージが見えたらパスワード付き圧縮の設定が成功していますので、ウィンドウが隠れていないかも合わせてチェックしてください。
パスワード付き圧縮を活かしてできることいろいろ

パスワード付き圧縮を活かすと、単にファイルをまとめるだけでなく、安全にやり取りしたり持ち運んだりといったシーンで大活躍します。どんな場面で役立つかをまとめたので、自分の用途に合わせてぜひ活用してください。
活用シーン | どんなときに役立つか |
---|---|
機密書類のメール送付 | 外部パートナーへ安全にデータを渡せる |
USBメモリでのファイル持ち運び | 紛失しても中身が読まれにくい |
クラウド保存の暗号化 | 不正アクセスから大事な情報を守れる |
定期バックアップの保護 | 異常時の復旧データをしっかりガード |
複数フォルダーをまとめて暗号化してUSBに入れる

複数フォルダーをまとめて暗号化すると、USBに入れるときにフォルダーを1つずつ扱う手間が省けるうえ、うっかり置き忘れやコピー漏れのリスクをグッと減らせます。
- ひとまとめに管理:複数フォルダーを1つの7Zipアーカイブに収められる
- 階層そのまま暗号化:フォルダー構造を崩さずにAES256で守れる
- USBコピーがシンプル:コピーするファイル数が1つになるので操作ミスを防げる
この方法ならUSBから別のPCに移すときも、アーカイブをダブルクリックしてパスワードを入力するだけで元のフォルダー構造がそのまま戻るので初学者にも安心です。
エクスプローラーで親フォルダーを右クリックして一括圧縮する
エクスプローラーを開いて、一括で圧縮したい親フォルダーを右クリックします。
コンテキストメニューから7-Zipにカーソルを移動し、サブメニューを表示させます。
「圧縮してメールを添付」などでなく「圧縮」を選び、フォーマットは7zやzipを選択します。出てきたダイアログで暗号化方式をAES-256にし、パスワード欄に任意の文字列を入力します。
「OK」を押すと同じ階層にパスワード付きの圧縮ファイルが作成されます。完了後に解凍できるか試してみると安心です。
フォルダー名に日本語やスペースが入ると解凍時に文字化けする場合があります。英数字だけの名前にするとトラブルを避けやすくなります。
出来上がったアーカイブをUSBメモリーにドラッグする
エクスプローラーで先ほど作成した.7zアーカイブがあるフォルダーを開きます。別ウィンドウでUSBメモリーのフォルダーも表示したら、アーカイブファイルをマウスでつかんでUSBメモリーのウィンドウ上へドラッグ&ドロップしてください。ファイルが大きい場合は転送完了まで画面の進捗バーを確認しながら待つと安心です。コピーではなく移動したいときは、Ctrlキーを押しながらドラッグするとフォルダー間で確実にコピーされます。
USBメモリーを取り外す前に必ずタスクバーの「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」アイコンから安全な取り外し操作を行ってください。
メール添付サイズを小さくして送信トラブルを防ぐ

メールで大きなファイルを送ろうとすると、送信エラーや受信拒否に悩むことがあります。そんなときは7Zipの圧縮機能を活用して、添付サイズをぐっと小さくしてしまいましょう。これだけで送信トラブルがグッと減ります。
- 高い圧縮率で容量ダウン:無駄なデータをカットしてファイルサイズを大幅に小さくできます。
- 分割アーカイブが便利:大きなファイルを指定サイズごとに分けて、複数のメールに分散して送信できます。
- 受け取り側もスムーズ:軽量化でダウンロード時間が短くなり、相手のストレージ負担も軽減できます。
多くのメールサービスは25MB前後の添付上限があるため、必ず事前にサイズを確認しましょう。
圧縮前に不要ファイルを削除して軽量化する
7Zipで圧縮したいフォルダをエクスプローラーで開きます。画面上部のパスをクリックすると入力状態になり、そのままコピー&ペーストで移動できるので便利です。
検索ボックスに「*.tmp」「*.log」「Thumbs.db」などと入力すると、一時ファイルや不要なキャッシュがリストアップできます。ここで確認しながら選択しましょう。
リストアップされた不要ファイルを全選択してDeleteキーを押します。安全のためゴミ箱へ移動し、問題なければゴミ箱を空にして本当に削除しましょう。
ネットワークドライブや共有フォルダ内のゴミ箱は個別に削除が必要になることがあります。
圧縮形式を7z形式にしてさらに容量を減らす
ZIP形式よりも7z形式は圧縮効率が高いため、同じファイルをより小さくまとめられます。
エクスプローラー上で圧縮したいファイルを右クリックし、「7-Zip」→「圧縮…」を選んでください。
「アーカイブ形式」を7zに変更し、「圧縮レベル」を「Ultra」に設定します。辞書サイズは搭載メモリの半分以下にすると安定します。
細かいファイルをまとめて固めるとさらに圧縮率が上がりますが、展開時に時間がかかることがあるので用途に合わせて使い分けてください。
クラウドに置く大事な書類を二重で守る

クラウド保存だけに頼るとアカウント乗っ取りや設定ミスが心配ですよね。そこでファイルを7Zipで暗号化してからアップロードすると、書類をしっかりダブルでガードできます。
特に契約書や個人情報などの最重要データを扱うときにおすすめです。万が一クラウドが流出しても中身は解読できないので、うっかり公開も防げて心強いですよ。
クラウド同期フォルダーにパスワード付きアーカイブを保存する
エクスプローラーで利用中のクラウド同期フォルダー(OneDriveやDropboxなど)を開きます。
先ほど作成した.7zファイルを目的のフォルダーにドラッグ&ドロップしてください。
クラウドクライアントが自動でアップロードを始めるので、タスクバーの同期アイコンがチェックマークに変わるまで待ちましょう。
同期完了後は、スマホや別のPCからも安全にパスワード付きアーカイブを使えます。
共有リンク設定でもパスワードをかけて安全を二重にする
7Zipでパスワード付きにしたファイルを普段使っているクラウドサービスにドラッグ&ドロップでアップロードします。
アップロードが終わったらファイルを右クリックして「共有リンクを取得」を選び、リンク設定画面を表示します。
共有リンクのオプションで「パスワード保護」をオンにし、別の強固なパスワードを入力してください。
同じパスワードを使いまわすと狙われやすくなるので、7Zipとリンク用とで別々のパスワードにしましょう。
よくある質問

パスワードを忘れてしまったらどうしたらよいですか?
- パスワードを忘れてしまったらどうしたらよいですか?
7Zipのパスワードは復元できないため、正確な文字列が必要です。パスワード管理ツールに登録しておくか、編集履歴の付いたドキュメントに控えておくと安心ですよ。
強力なパスワードを設定するコツは?
- 強力なパスワードを設定するコツは?
英数字と記号を組み合わせて、12文字以上にすると破られにくくなります。覚えやすいフレーズを間に挟んで、アルファベットの大文字・小文字を混ぜるとさらに安全度が高まります。
ZIP形式と7z形式の違いは何ですか?
- ZIP形式と7z形式の違いは何ですか?
7z形式は圧縮率が高く、AES-256暗号を使うのでセキュリティ面も優秀です。ZIP形式は対応アプリが多いですが、暗号方式が古いと強度が落ちる場合があります。機密性を重視するなら7zがおすすめです。
圧縮形式はzipと7zどちらが安心?
Zipと7zの一番大きなちがいは暗号化の強さです。Windows標準のZip圧縮だと「ZipCrypto」という簡易的な方式しか選べず、かんたまパスワードならすぐ解析されてしまうことがありました。7z形式ならAES-256というしっかりした暗号化を使えるので、パスワード付き圧縮に安心感を求めるならこちらをおすすめします。
もうひとつのポイントは圧縮率です。7zはデータの重複をより深く探してくれるため、ファイルサイズが小さくまとまりやすいメリットがあります。ただし相手に7Zipが入っていない場合は解凍ソフトを別途用意してもらう必要があるため、やりとり相手の環境も考慮しながら選ぶといいでしょう。
パスワードを忘れたらどうなる?
7Zipでかけたパスワードを忘れると、中のファイルを開くことができなくなります。7ZipはAES-256という強力な暗号化を使っているため、パスワードがわからないとデータを取り出せなくなってしまいます。
標準機能にはパスワードをリセットする仕組みがないため、パスワードの解析には専門のツールや長時間の試行が必要です。しかし、初学者が簡単に扱えるものではなく成功率も低めです。大事なファイルほどパスワード管理は慎重に行いましょう。
もしうっかり忘れてしまったなら、新しくパスワードをかけ直せるバックアップがあるかをまず確認してください。バックアップがない場合は残念ながら元のファイルを取り出す方法はほとんどありませんので、今後はパスワードのメモや専用の管理ツールを使うことをおすすめします。
英数字混ぜた長いパスワードじゃないとダメ?
英数字を混ぜた長いパスワードは確かに強度が上がるけれど、必ずしも記号や大文字小文字を必須にしなくてもOKです。パスワードの安全性を高めるポイントは、総当たり攻撃に耐えられる長さを確保すること。
手元で覚えやすい言葉やフレーズをつなげたパスフレーズなら、無理なく文字数を増やせて管理もラクになるので、アルファベットだけや数字だけよりもかえって安全性を担保しやすくなります。
スマホでも開けるようにするには?
スマホでパスワード付きファイルを開きたいときは、7z形式ではなくZIP形式で暗号化する方法が便利です。7ZipならAES256で保護したZIPファイルを作成でき、iPhoneは標準機能で、Androidは無料アプリでもすぐ開けます。パスワードをかけつつスマホへのやりとりもしやすいのがうれしいポイントです。
暗号化レベルAES-256って何のこと?
AES-256は「Advanced Encryption Standard(高度な暗号化基準)」のなかで鍵長256bitを使う方式です。この鍵長が長いほど解読にかかる時間が天文学的に長くなるため、実用上ほぼ破られる心配がありません。
プログラマー目線のこだわりポイントとして、7Zipではファイルの中身だけでなくファイル名まで暗号化できるのが頼もしいところです。大事なデータを丸ごと守りたいときにピッタリです。
まとめ

これまでに7Zipを使ってファイルにパスワードをかける方法と、少し進んだ応用テクニックをご紹介しました。
- 7Zipのインストール:公式サイトから最新バージョンをダウンロードしてセットアップ。
- 圧縮ファイルの作成:右クリックメニューから「7Zip→圧縮してメール送信」を選ぶか、7z形式でまとめる。
- パスワード設定:圧縮オプション画面で安全なパスワードを入力し、暗号化方式はAES-256を選ぶ。
- 解凍テスト:パスワード入力画面が正しく表示されるか確認し、うっかりミスを防ぐ。
- 応用テクニック:バックアップフォルダをまとめて自動圧縮したり、スクリプト連携で定期的に暗号化したりする。
この手順で大切なファイルをしっかりガードできます。あとは実際に試してみるだけですから、安心して次の一歩を踏み出してください。