USBメモリに入れた7Zipをそのまま使いたいのに、インストール不要の方法が分からず戸惑っていませんか?
ここでは公式ポータブル版と小さなコマンドライン版の二通りを取り上げ、それぞれの入手手順から安全に起動するコツ、圧縮と解凍をすばやく行う操作例まで細かな説明で案内します。さらにUSB一本で社内PCでも自宅PCでも設定を残さず使える利点や、暗号化付きバックアップに活用する工夫も盛り込みます。
手元のファイルで試しながら読み進めれば数分後にはアーカイブを自在に扱えますので、まずはデスクトップに専用フォルダーを作成し実習を始めてみてください。
インストール不要で7Zipを使ってファイルを解凍圧縮する手順

Windowsの設定をいじらずに、かんたんにファイル操作したいとき、インストール不要のポータブル版7-Zipが大活躍します。USBに入れるだけで、別のPCに迷わず持ち運べるのがうれしいポイントです。
- ポータブル版ダウンロード:公式サイトから「7-Zip Portable」を入手します。32bit/64bitは使用端末に合わせて選びましょう。
- USBにフォルダ作成:USBメモリ直下に「7zip-portable」など分かりやすい名前でフォルダを用意し、ダウンロードしたZipを解凍してすべて入れます。
- 7zFM.exeを起動:フォルダ内の「7zFM.exe」をダブルクリックで起動します。管理者権限は不要なので安心です。
- ファイル解凍:解凍したいファイルを選択してツールバーの「展開」をクリック。出力先をUSBやローカルに指定できます。
- ファイル圧縮:ファイル/フォルダを選んで「追加」をクリック。形式は7zやzipが選べるので用途に合わせて指定しましょう。
USBのドライブレターが変わると設定ファイルのパスがずれることがあります。起動前にドライブレターを確認しておくとトラブルを防げます。
公式ポータブル版を使う方法

公式ポータブル版はWindows用に開発された単一の実行ファイルで、USBメモリやネットワークドライブに置くだけで使えます。管理者権限がなくても起動できるので、職場や学校のパソコンでも気軽にファイルを解凍圧縮できます。
インストール作業がないため、環境を汚さずにさっと使いたい場面にぴったりです。シェル統合(右クリックメニュー)は利用できませんが、必要な操作はポータブル版のウインドウから直感的に実行できるので、移動先でもストレスなく活用できます。
①公式サイトにアクセスしてポータブル版ZIPを入手
まずはブラウザで7-Zip公式サイト(https://www.7-zip.org/)を開きます。ダウンロード欄にある「Download」リンクをクリックすると、Windows向けインストーラーやポータブル版が並んでいるので「7-Zip Portable (x64 または x86) zip」を見つけてください。
自分のWindowsが64ビットなら「x64」、32ビットなら「x86」を選びます。ファイル名に「.zip」が含まれていることを確認してダウンロードを開始しましょう。
②ダウンロードしたZIPを右クリックで展開
エクスプローラーでダウンロードフォルダを開いて、ZIPファイルを見つけます。ファイル名の上で右クリックしてメニューを出し、「すべて展開」を選んでください。
次に表示されるウィンドウで展開先フォルダーを確認し、問題なければ「展開」ボタンをクリックします。USBに直接展開すればパソコンの容量を圧迫しません。
③展開先の7zFMexeをダブルクリックして起動
USB内に展開したフォルダをエクスプローラーで開いてください。
「7zFM.exe」を見つけたら、アイコンをダブルクリックします。
しばらくすると7-Zipのファイルマネージャーが軽やかに立ち上がります。
もしユーザーアカウント制御の確認ダイアログが出たら、「はい」を選んでください。
④ドラッグアンドドロップで解凍したいファイルを選ぶ
エクスプローラーで解凍したいzipや7zファイルをそのまま7Zipのウインドウにドラッグアンドドロップしてください。複数ファイルを同時にドラッグすると一気にまとめて解凍できます。うまく反応しないときはリスト部分やタイトルバーを狙うとスムーズです。
⑤圧縮したい場合はメニューから追加を選ぶ
圧縮したいファイルやフォルダを右クリックして、7Zipにカーソルを合わせます。その中から追加をクリックしてください。
すると圧縮オプション画面が開くので、形式や圧縮レベルを確認してからOKを押します。自動で同じ場所に.7zファイルが作成されるので覚えておくと便利です。
コマンドライン版7zexeを使う方法

コマンドライン版の7zexeは、マウスを使わずにコマンドひとつでサクッと解凍や圧縮ができる心強い味方です。USBメモリに7z.exeを入れるだけで、インストールいらずでどこでも同じ操作ができるのが嬉しいポイントです。
バッチファイルに組み込めば、毎回同じ手順を自動で実行できるので、フォルダ丸ごとまとめたいときや定期的にバックアップを取りたいときにとても便利です。余計なウィンドウが開かないぶん動作も軽やかで、古いPCやリソースの少ない環境でも頼れます。
パスにスペースが入っているファイル名もダブルクォートで囲むだけなので安心です。キーボードで操作したい人やスクリプトを組んで作業を自動化したい人には、まず試してほしい方法です。
①公式サイトから7zexeを単体で取得
ブラウザでhttps://www.7-zip.org/へアクセスして、Windows向けの32bitまたは64bit版「7z.exe」のリンクをクリックしてください。
②任意フォルダーに7zexeを置く
USBメモリをパソコンに挿し込みます。
エクスプローラーでダウンロード済みの7z.exeがある場所を開きます。
7z.exeを右クリックしてコピーを選択します。
USBメモリ内で作成した任意のフォルダー(例: 7zip-portable)を開き、貼り付けを実行します。
フォルダー名に空白や日本語を含めると実行時にエラーになることがあります。
③Shift右クリックでPowerShellでここに開くを選ぶ
USBドライブ内のフォルダを開き、何もない空白部分をShiftキーを押しながら右クリックします。
すると「PowerShellウィンドウをここで開く」が現れるので、こちらを選択するとそのフォルダをカレントディレクトリにしたPowerShellが起動します。
Shiftキーを離して右クリックするとメニューが変わるので、必ず押しながら操作してください。
④コマンド7z x ファイル名で解凍
コマンドプロンプトを開いて解凍したいフォルダに移動します。エクスプローラーからフォルダをドラッグ&ドロップするとパスが自動で入力されるので便利です。
以下のように入力してください。7z xのあとに半角スペースを入れてファイル名を指定します。
7z x archive.7z
このコマンドだけでarchive.7zの中身が現在のフォルダへ展開されます。別の場所へ解凍したいときは-o出力先フォルダ
オプションを追加してください。
7zコマンドが「見つかりません」と表示されるときは、USB内の7z.exeを置いたフォルダを環境変数PATHに登録するとすぐ使えるようになります。
⑤コマンド7z a アーカイブ名 ファイル名で圧縮
7z.exeがあるフォルダを開いているか、環境変数PATHに追加されているかを確かめます。
つづいて以下のコマンドを実行します。
7z a archive.7z filename.txt
archive.7zには作りたい圧縮ファイル名を、filename.txtには圧縮したいファイル名やフォルダ名を指定します。
複数ファイルを一気に圧縮したいときは、ワイルドカード*
やスペースで複数指定できます。
実行前に現在のフォルダが正しいか確認してください。違う場所で実行するとファイルが見つからず失敗することがあります。
ポータブル7Zipで作業がもっと楽しくなる便利ワザ

ポータブル7Zipをもっと便利に使いこなすための楽しいワザをまとめました。いつもの作業にちょっと工夫をプラスして、ストレスフリーにファイル操作を楽しみましょう。
便利ワザ | どんなときに役立つ |
---|---|
頻出フォルダをメニュー登録 | よく使うフォルダを右クリックメニューに登録してワンクリックでアクセス |
バッチファイルで自動圧縮 | 定時バックアップや定期レポートの圧縮をボタン一発で実行 |
分割&パスワード付き圧縮 | 大容量ファイルを小分けにして安全に送信したいとき |
コマンドラインオプション活用 | GUI操作に加えてスクリプトでまとめて処理したいとき |
一時フォルダのクリーンアップ | 解凍後のゴミファイルを自動で削除してPCを軽く保ちたいとき |
お気に入りアーカイブ登録 | いつも使うテンプレートやツールを即座に展開したいとき |
このワザを組み合わせると、ポータブル7Zipがまるで自分専用ツールのように大活躍してくれます。ぜひ試して、快適なファイル操作を体験してみてください。
パスワード付きZIPで大事なファイルを守る

パスワード付きZIP(AES-256暗号化)を使うとUSBで持ち歩く大事な資料や写真をしっかり守れます。7zipのポータブル版からパスワードを設定するだけで、知られたくないファイルを簡単に見られないようにできるので安心です。
コンテキストメニューから追加を選び暗号化パスワードを入力
暗号化したいファイルやフォルダを選んで右クリックします。
「7-Zip」にカーソルを合わせてサブメニューを開き、「圧縮…」をクリックします。
開いたダイアログの右側にある「暗号化」欄に任意のパスワードを入力します。英数字と記号を組み合わせると安全性が高まります。
「暗号方式」はAES-256を選んでおくと強力です。
最後に「OK」をクリックすると、パスワード保護された圧縮ファイルが作成されます。
大量ファイルを一気に日付付きアーカイブでバックアップ

大量の写真やドキュメントをまとめてバックアップするとき、いちいち名前を考えるのは面倒ですよね。7Zipのポータブル版をUSBに入れておくと、フォルダを指定するだけで自動的に日付付きのアーカイブが作れます。たとえば「20240710_backup.7z」のようにファイル名に当日の日付が入るので、あとから探す手間がぐっと減ります。しかもフォルダ構成はそのまま残るので、バックアップの中身を確認したいときもスムーズです。大量ファイルでも軽快に動いてくれるのがエンジニア視点で頼もしいポイントです。
バックアップしたいフォルダーを選び7ZipでYYYYMMDD形式で圧縮
USBに入れた7Zipのフォルダーを開いて、圧縮したいフォルダーをクリックで選んでください。
Windowsキー+RでPowerShellを開き、(Get-Date -Format yyyyMMdd)
と入力すると、今日の日付が「20230912」のような数字で表示されます。
PowerShellでUSB内の7z.exeがあるフォルダーに移動し、以下のようにコマンドを入力してください。
.\7z.exe a -t7z -mx=9 "Backup_20230912.7z" "C:\path\to\選んだフォルダー"
PowerShellのコマンドが難しい場合は、GUI版の7zFM.exeを使ってドラッグ&ドロップし、ファイル名を手入力で「Backup_YYYYMMDD.7z」としてもOKです。
バッチファイルで毎晩自動圧縮を走らせる

Windows11のタスクスケジューラにバッチファイルを登録しておくと、USBドライブを接続するだけで毎晩自動的に7Zip圧縮が実行されます。手動で操作しなくてもバックアップが取れるので、寝ている間にデータ整理を完了させたい方にぴったりです。
- 自動化で安心:毎晩同じ時間に確実に圧縮できるため、手動忘れを防げます。
- USBのみで完結:バッチと7Zip本体をUSBに置いておけば、どのPCでも同じ仕組みが動作します。
- ログや履歴管理:出力ログをファイルに残す設定にすると、異常時の原因調査がスムーズです。
- 日付付きフォルダ:バッチ内で%DATE%を利用すれば、日付ごとに自動でフォルダ名が切り替わります。
タスクスケジューラでバッチを登録し指定時刻に実行
スタートメニューを開き「タスクスケジューラ」と入力してEnterキーを押しアプリを起動します。
右側の「基本タスクの作成」をクリックして任意の名前を入力し「次へ」を押します。
「トリガー」で「特定の日時」を選び実行日時を入力します。
「操作」で「プログラムの開始」を選び「プログラム/スクリプト」にバッチファイルの絶対パスを入力します。
C:\tools\7zip_portable\run7z.bat
設定を確認し「完了」をクリックすると指定時刻にバッチが自動実行されます。
よくある質問

USBからそのまま7Zipを起動できません。どうすればいいですか?
- USBからそのまま7Zipを起動できません。どうすればいいですか?
7Zipの実行ファイルと必須のライブラリ(7z.dllなど)が同じフォルダに揃っているか確かめてください。ときどきフォルダ構成を変えると動かなくなることがあります。自分はポータブル版のフォルダを丸ごとUSBにコピーして、そこから起動する運用に落ち着きました。
USBで圧縮・解凍すると動作が遅いです。改善できますか?
- USBで圧縮・解凍すると動作が遅いです。改善できますか?
USBメモリは読み書き速度が遅いことが原因です。大きなファイルを扱うときは一度ローカルのフォルダにコピーして作業したあと、再度USBへ戻すとサクサク動きます。自分も開発中は一時フォルダ活用でストレスを減らしました。
コマンドラインからパスワード付きで圧縮する方法を教えてください。
- コマンドラインからパスワード付きで圧縮する方法を教えてください。
7z.exeを使って「a -pパスワード -mhe=on アーカイブ名.zip 元ファイル」を実行すると暗号化付きZIPが作れます。スペースを含むパスはダブルクオートで囲んでください。自作バッチにまとめておくといつでも呼び出せて便利です。
日本語ファイル名が文字化けします。対策はありますか?
- 日本語ファイル名が文字化けします。対策はありますか?
7z.exeは標準でUTF-8を使います。Windowsの日本語環境でCP932にしたいときは「-mcp=932」を付けると直ることがあります。それでもダメな場合は、7Zipのオプションで「コードページ」を指定してみてください。
通常版との違いは?
インストール不要のポータブル版はUSBメモリからそのまま使えるのが大きな魅力です。通常版と比べると、レジストリに触らずに済むのでパソコン環境を汚さずに済むのも頼もしいポイントです。
- インストール不要:USBから直接起動できるので、どのパソコンでもすぐ使える
- レジストリ不使用:システム設定を変更せずに動作するので安心
- シェル拡張なし:右クリックメニューへの統合は手動設定が必要になる
- ファイル関連付け:手動で行うか、ショートカットから直接指定する手間がある
- サイズの軽さ:通常版よりもコンパクトなので持ち運びに便利
通常版は右クリックでの解凍や圧縮がすぐ使えて、ファイル関連付けも自動で設定されるので、日常的にPCで作業するなら便利です。一方でポータブル版は「いつもの環境を汚さずに、どこでも同じツールが使える」フットワークの軽さが光ります。
USBメモリで別のPCでも動く?
USBメモリに入れたポータブル版の7Zipなら、インストール不要で別のPCでもすぐに使えます。
たとえば管理者権限がない環境やインストールを禁止された会社PCでも、USBを挿すだけでファイルの解凍や圧縮ができるのが大きな魅力です。
同じバージョンの7Zipポータブルを複数のUSBメモリに入れておくと、どの端末でも同じ動作を保証できるのでトラブルが減ります。
設定ファイルはどこに残る?
USBから起動した場合でも、7-Zipの設定はUSB内のファイルには保存されず、実行したWindowsユーザーのレジストリに残ります。具体的には、HKEY_CURRENT_USER\Software\7-Zip
にビュー設定やコンテキストメニューへの登録情報が書き込まれます。
USBだけで済ませたい場合は、このレジストリ情報が接続先PCに残る点に注意してください。
64bit版と32bit版どちらを選べばいい?
使うパソコンが64bit OSなら、しっかりメモリを使えて大きなファイルもサクサク扱える64bit版がおすすめです。
一方、古いパソコンや出先のマシンでOSが不明なときは、互換性の高い32bit版を選ぶと安心です。
もし用途が決まっていて大容量の圧縮や高速処理を重視するなら64bit版を、どんな環境でも動かしたいなら32bit版をUSBに入れておくといいですよ。
セキュリティ面で気をつけることは?
- セキュリティ面で気をつけることは?
-
USBだけで7Zipを動かすのは楽ちんだけど、いくつかのポイントに注意するともっと安心です。
- 公式サイトから持ち出した7Zip本体を使うSHA256でチェック
- パスワード付き圧縮はAES-256モードと隠しファイル名オプション(
-mhe=on
)を活用 - 不特定多数のPCで使ったら、解凍後の一時フォルダを手動でキレイに掃除
- 怪しいファイルは先にウイルススキャンをかけるか、サンドボックス環境で試運転
こうした小さな心がけで、大事なデータも安心して持ち運べます。
まとめ

これまで7ZipをインストールせずにUSBからサクッとファイルを解凍圧縮する流れをご紹介しました。
まずはポータブル版をUSBに用意して右クリックメニューから使う方法で、ソフトを入れずに便利さを実感していただけたはずです。さらにコマンドラインを組み合わせればバッチ処理も楽々です。
大事なポイントはUSBさえあればどのPCでも7Zipの機能をフル活用できること。パスワード付き圧縮や複数ファイル一括処理もお手のものです。
この記事で学んだ手順を試して、いつでもどこでも自由にファイル操作を楽しんでくださいね。