Windowsを起動するたびに、どのアプリが早く立ち上がるのか気になりながらスタートアップに登録した覚えがなく、場所が分からずに手動で探し回っているのではありませんか?
ここでは長年の経験で培った小さな工夫を交えながら、スタートアップフォルダーを迷わず開く三つの方法と、起動を快適にする応用テクニックを順番に示しますので、初期設定に戸惑う時間を節約でき、毎日の作業が軽やかになります。
説明に沿ってゆっくり操作すればすぐに自分だけの自動起動環境を整えられますので、肩の力を抜いて一緒に確認してみてください。
Windowsスタートアップフォルダーを開くためのやさしい手順

Windows 11では、スタートアップフォルダーを開く方法がいくつかあります。それぞれのやり方を覚えておくと、あとでプログラムを自動起動させたいときにさっとアクセスできて便利です。
- ファイルエクスプローラー経由:エクスプローラーのアドレスバーに
%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
(ユーザー用)や%PROGRAMDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
(全ユーザー用)と入力して直接開く方法 - 「ファイル名を指定して実行」経由:Winキー+Rで出るダイアログに
shell:startup
(ユーザー用)またはshell:common startup
(全ユーザー用)を入力して開く方法 - コマンドプロンプト/PowerShell経由:
start %APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
などを実行してフォルダーを呼び出す方法
プログラマー視点だと、環境変数を活用すればバッチファイルやスクリプトから自動的にスタートアップフォルダーを開いたり、ショートカットを配置したりできてとても楽になります。
エクスプローラーでサクッと開く

エクスプローラーでスタートアップフォルダーを開く方法は、フォルダー内のファイルを自由に操作できるのがうれしいポイントです。ショートカットをドラッグ&ドロップで追加したり、不要になったものをすぐ削除したりできるので、カスタマイズ性を重視したいときにぴったりです。
隠しフォルダーを扱うので初めてだと少し戸惑うかもしれませんが、一度手順を覚えれば毎回コマンドを打つよりも直感的に操作できます。
- 直感的な操作:エクスプローラーの画面上でフォルダーとファイルをそのまま扱える
- ショートカットの追加が楽:ドラッグ&ドロップだけで登録できる
- 整理もサクサク:不要な起動アイテムを見つけたらその場で削除できる
①タスクバーのフォルダーアイコンをクリック
タスクバーの端や中央にあるフォルダー型のアイコンを探します。これはエクスプローラーを開くショートカットです。
フォルダーアイコンをクリックするとエクスプローラーが起動します。次のステップでスタートアップフォルダーへのアクセスを進めましょう。
②アドレスバーにshell:startupと入力
エクスプローラーの上部にあるアドレスバーをクリックします。
キーボードでshell:startupと正確に入力します。大文字・小文字は問わず、コロン「:」を忘れないようにしてください。
入力が終わったらEnterキーを押すと、スタートアップフォルダーがすぐに開きます。
③Enterを押してフォルダーを表示
Runダイアログに入力したパスをもう一度確認して、Enterキーを押します。すると指定したスタートアップフォルダーがすぐに開きます。
もしフォルダーが開かないようなら、パスのスペルやバックスラッシュ「\」の数を見直しましょう。小さなミスが開かない原因になりやすいです。
管理者権限が求められる場合は、表示されたユーザーアカウント制御のダイアログで「はい」をクリックしてください。
ファイル名を指定して実行から一瞬で開く

Runダイアログから直接開く方法は、マウス操作をがっつり省いてキーボードだけでパパッと作業を進めたいときに最高です。
Winキー+Rで出る「ファイル名を指定して実行」にshell:startup
と入力すれば、自分用のスタートアップフォルダーが一瞬でパッと開きます。管理者用に共通フォルダーを使いたいときはshell:common startup
を使うと便利です。
①WinキーとRキーを同時に押す
キーボードの左下にあるWinキーと、その右にあるRキーを一度に押します。これで「ファイル名を指定して実行」ダイアログがすぐに開きます。
②shell:startupと打ち込む
「ファイル名を指定して実行」の入力欄に半角でshell:startup
と打ち込みEnterキーを押します。
③OKボタンをクリック
ポップアップした確認ダイアログでOKボタンをクリックしてください。これだけで変更が保存され、スタートアップフォルダーの場所をいつでもすぐ開けるようになります。
スタートメニューをたどって開く

スタートメニューをたどって開く方法は、画面上のアイコンをクリックしながら直感的に操作できるのがうれしいポイントです。キーボードに慣れていなくても、メニュー構造をたどるだけなので迷いにくく安心感があります。とくに初めてWindowsをさわるときは、目で追いながら進められるこの方法がぴったりです。プログラマーのちょっとしたコツとしては、スタートボタンを右クリックして「エクスプローラーで開く」を選ぶと、目的のフォルダーに一気にジャンプできる裏ワザも覚えておくと便利です。
①スタートボタンをクリック
画面左下にある窓の形のアイコンをマウスでクリックします。
もしキーボードから操作したいときは、Winキー
を押してもスタートメニューが開いてくれます。
タスクバーを自動で隠す設定の場合は、画面下端にマウスを移動するとタスクバーがひょっこり出てくるので慌てず操作しましょう。
②すべてのアプリを開く
画面左下のスタートボタンをクリックしてメニューを開きます。次に上部にある「すべてのアプリ」をクリックしてください。インストールされているアプリが名前順に並ぶので、目的のフォルダーを見つけやすくなります。
③Windowsツールを選びエクスプローラーを起動
画面左下のWindowsアイコンをクリックしてスタートメニューを開いてください。
「すべてのアプリ」から下へスクロールしてWindowsツールを見つけてクリックしてください。
Windowsツール内のファイルエクスプローラーをクリックして起動してください。
④アドレスバーでユーザーフォルダーを開きAppDataを選ぶ
エクスプローラーの上部にあるアドレスバーをクリックして%USERPROFILE%
と入力しEnterキーを押します。
表示されたユーザーフォルダーの一覧からAppDataをダブルクリックして開きます。
AppDataフォルダーは隠しフォルダーに指定されています。隠しファイルを表示する設定がオフだと見えないので、エクスプローラーの表示タブから「隠しファイル」をオンにしてください。
⑤Roaming→Microsoft→Windows→Start Menu→Programs→Startupの順に開く
タスクバーのフォルダーアイコンをクリックしてエクスプローラーを開きます。
%appdata%
と入力してEnterキーを押すと、Roamingフォルダーが開きます。
フォルダー一覧からMicrosoft → Windows → Start Menu → Programs → Startupを順にダブルクリックして開きます。
スタートアップフォルダーが分かれば自動起動がもっと自由になる

スタートアップフォルダーの場所を知っておくと、パソコン起動時に好きなアプリやスクリプトをサクッと立ち上げられます。ユーザーごとに自動起動を切り替えたり、全員共通の設定もできますので、作業環境を思いのままにカスタマイズできます。
- ユーザー専用の起動フォルダー:
%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
にショートカットを置くと、そのユーザーでログインしたときだけ自動起動します。 - 全ユーザー共通の起動フォルダー:
%ProgramData%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
に置くと、どのアカウントからでも自動起動します。
この二つを使い分けることで、仕事用アプリは自分だけ起動、チーム共通ツールは全員で自動起動といった細かい設定が実現します。
プログラマー視点だと、シンボリックリンクでフォルダーをまとめたり、PowerShellスクリプトでショートカットを一括作成すると管理がとても楽になります。
お気に入りアプリを自動起動に登録

ログインしたらすぐに使いたいアプリがあるときは、スタートアップフォルダーにショートカットを置いておくと便利です。毎回手動で起動する手間が省けて、電源を入れたあとすぐに作業に取りかかれます。Windows標準の機能なので追加のソフトは要らず、安全に自動起動を設定できます。
①スタートアップフォルダーを開く
WindowsキーとRキーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」画面を開きます。
shell:startup
と入力してEnterキーを押すと、個人用のスタートアップフォルダーがエクスプローラーで開きます。
すべてのユーザー用フォルダーを開きたい場合はshell:common startup
を使うと便利です。
②デスクトップからアプリのショートカットを作成
タスクバーかスタートメニューで登録したいアプリを見つけたら、そのアイコンを右クリックします。
メニューからその他→ファイルの場所を開くを選ぶと、エクスプローラーが起動します。
表示された実行ファイル(.exe)を右クリックして送る→デスクトップ(ショートカットを作成)をクリックします。これでデスクトップにショートカットができます。
③ショートカットをスタートアップフォルダーにドラッグ
デスクトップ上のアプリショートカットを左クリックでつかんだまま、スタートアップフォルダーのウィンドウ内にドラッグ&ドロップします。フォルダーが青く反転してからマウスボタンを離すと登録完了です。
朝だけ重いなら遅延起動バッチでゆったりスタート

朝パソコンを起動したときだけ動きがもっさりして、ついため息が出てしまうことはありませんか。バックグラウンドで更新チェックや同期が一気に動き出すと、その分だけ負荷が集中してしまいます。
そんなときは「遅延起動バッチ」を使って、重たいアプリやサービスの開始を数秒から数十秒後にずらしてみましょう。起動直後は最小限のものだけ動かし、落ち着いたら必要なものを順番に立ち上げるイメージです。
- 負荷分散:スタート直後の重さを軽減してスムーズな操作感を実現
- カスタマイズ:遅延時間や起動順を自由に設定できる
- 手軽:バッチファイルを用意するだけで、初心者でも数分で導入可能
①メモ帳を開きtimeout5とアプリ名を入力
Windowsキー+Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」を開きnotepadと入力してEnterキーを押します。これでメモ帳が起動します。
一行目にtimeout 5
と入力します。起動後に自動で少し待ってくれるので安心です。
次の行に起動したいアプリ名または実行ファイルのパスを入力します。フォルダ名に空白がある場合は"C:\Program Files\SampleApp\Sample.exe"
のように引用符で囲んでください。
②ファイルをbat拡張子で保存
テキストファイルを右クリックして「名前を変更」を選びます。ファイル名をstartup.batと入力し、拡張子が.batになっていることを確認してください。
名前を変えるときはダブルクォートで囲むと「.txt」が付かず正しく.batで保存できます。
③バッチのショートカットをスタートアップフォルダーへ置く
エクスプローラーでバッチファイルがあるフォルダーを開いてください。該当の.batファイルを右クリックし、「送る>デスクトップ(ショートカットを作成)」を選びます。
キーボードで Windowsキー+R を押し、表示された「ファイル名を指定して実行」に shell:startup
と入力して Enter を押します。あなた専用のスタートアップフォルダーが開きます。
先ほどデスクトップに作ったショートカットを、スタートアップフォルダーへドラッグ&ドロップします。これでWindows起動時にバッチが自動実行されるようになります。
管理者権限が必要な処理を含むバッチの場合は、ショートカットを右クリック→プロパティ→詳細設定で「管理者として実行」をチェックしてください。
WiFi接続後にネットワークドライブを自動再接続

WiFi接続が復活したあとに手動でネットワークドライブを開くのって、ちょっと面倒ですよね。Windowsの標準設定ではログオン時にしか再接続が行われないので、休止状態やスリープ復帰後にドライブが切れてしまうことがよくあります。
そんなときにおすすめなのが、タスクスケジューラでWiFi接続をトリガーにしてドライブ再マッピングを自動化する方法です。このやり方なら、WiFiに繋がるたびに指定のバッチファイルを実行してくれるので、いつでも快適にネットワークドライブにアクセスできます。
①メモ帳でnet useコマンドを書いてbat保存
メモ帳を開いて、ネットワークドライブを割り当てるnet useコマンドを入力します。\\server\shareの部分は実際の共有フォルダーのパスに置き換えてください。
net use Z: "\\server\share" /user:ユーザー名 パスワード /persistent:yes pause
入力が終わったら、メニューから「ファイル」→「名前を付けて保存」を選びます。ファイル名をmap_drive.bat
など拡張子を.bat
にして、ファイルの種類は「すべてのファイル」に設定して保存してください。
作成したバッチファイルは右クリックして「管理者として実行」すると、設定が確実に反映されます。
②ショートカットをスタートアップフォルダーに配置
Windowsキー+Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
入力欄に %APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup と入力してEnterキーを押します。
表示されたスタートアップフォルダーに、先ほど作成したショートカットをドラッグ&ドロップするか、右クリックして「貼り付け」を選びます。
配置が終わったらフォルダーを閉じて、次回のPC起動時に自動起動を確認しましょう。
③プロパティで最小化を選び裏で静かに実行
スタートアップフォルダーに入れたプログラムのショートカットを見つけ出して、右クリックでメニューを表示し、プロパティを選んでください。
開いたプロパティ画面で「ショートカット」タブをクリックし、「実行時の状態」という項目を探してください。
「実行時の状態」のプルダウンを開き、最小化を選んでください。これで起動時にウィンドウが表示されずに裏で動きます。
「OK」をクリックしてプロパティ画面を閉じれば設定完了です。次回からは静かに裏で起動します。
注意点:一部のプログラムは最小化起動に対応していない場合があります。動作確認を忘れずに行ってください。
よくある質問

- スタートアップフォルダーって何ですか?
Windowsを起動したときに自動で立ち上がるアプリやスクリプトを登録する場所です。ユーザーごとに設定できる個人用と、すべてのユーザー向けの共有用があります。
- ショートカットを置いたのにアプリが起動しないときは?
ショートカットが正しい実行ファイルを指しているか確認しましょう。特にパスに日本語やスペースが含まれるときは、プロパティで「作業フォルダー」を埋めると安定します。
- 管理者権限は必要ですか?
個人用フォルダーなら基本的に不要ですが、共有用フォルダーに書き込む場合は管理者権限がいります。登録したアプリが管理者権限で動く必要があるときは、ショートカットのプロパティで「管理者として実行」にチェックを入れてください。
- 個人用と共有用の違いは?
個人用は「C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup」、共有用は「C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup」です。全員共通で起動させたいなら共有用がおすすめです。
- スタートアップを整理すると起動は速くなりますか?
不要な自動起動を減らせば、Windows起動時の負荷が下がって速く感じられるようになります。実際に使わないアプリは思い切って外してみましょう。
スタートアップフォルダーが見当たらない?
「スタートアップフォルダーが見当たらない?」と感じたら、エクスプローラーの設定で隠しファイルが非表示になっているか、パスが深すぎてたどり着きにくいのが原因かもしれません。
個別ユーザー用はC:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup、すべてのユーザー用はC:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startupにありますが、隠しフォルダーの表示を切り替えても探すには手間がかかります。
そんなときは「Winキー+R」→shell:startup
またはshell:common startup
と打ち込むだけで、迷わずフォルダーを開けるのでおすすめです。
管理者権限がないと開けない?
実は、管理者権限がなくても「スタートアップ(現在のユーザー)」フォルダーは開けます。自分のユーザーフォルダー内にあるので、特別な権限は必要ありません。ただし、すべてのユーザー共通フォルダーを開くには管理者権限が求められる点は知っておきましょう。
Windows11でも場所は同じ?
Windows11でもスタートアップフォルダーの場所は変わりません。Windows10と同じように、ユーザーごとのフォルダー内にある%appdata%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
を開けばスタートアップに登録されたショートカットが並んでいます。
スタートメニューの見た目は新しくなりましたが、「ファイルの場所を開く」が表示されないだけで、フォルダーへのアクセス方法は同じです。エクスプローラーのアドレスバーにパスを貼り付けると、迷わず目的地に辿り着けます。
複数ユーザーがいる場合はどうする?
会社や家族共有パソコンでアカウントが複数あるときは、自分だけでなくすべてのユーザーでプログラムを立ち上げたい場合と、自分専用に設定したい場合とでフォルダーを使い分けると便利です。
すべてのユーザーに同じアプリを起動させたいときはProgramDataフォルダーの「Startup」を、特定のアカウントだけにしたいときは各ユーザーの「AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup」を使います。管理者視点では一元管理でき、ユーザーごとには自分好みにカスタマイズできるので、それぞれの運用スタイルに合わせた使い分けがおすすめです。
スタートアップに入れたのに起動しない?
スタートアップフォルダーにショートカットを入れたのにアプリが立ち上がらない原因は、大きく分けて三つあります。
- ショートカットのリンク先(Target)が正しいか
- 管理者権限が必要なアプリかどうか
- ユーザー用と全ユーザー用フォルダーを混同していないか
このチェック方法は、Windows起動時の挙動をコントロールしやすく、登録ミスを自分でさっと直せるのが魅力です。特別なツールを入れずに済むので、手軽に原因を探りたいときにおすすめです。
まとめ

これまでの手順で、Windowsのスタートアップフォルダーをさっと開いて、毎回立ち上げたいアプリやスクリプトをぽんと置く方法がわかりました。まずはWindowsキー+Rキーで「shell:startup」と打ち込んで、フォルダーを開いてみてください。その中にショートカットを入れるだけで、自動起動がカンタンに設定できます。
プログラマーならではの小技として、バッチファイルやPowerShellスクリプトをスタートアップに登録すれば、ログオン直後に定型作業をまとめて走らせることも可能です。ぜひ今日の内容を試して、Windows起動をもっと快適にしてみてください。