タスクマネージャーで使用率を眺めながら作業しているうちに、処理を軽くするための適切な優先度が分からず戸惑うことはありませんか?
経験豊富な開発現場で得た知見を基に、危険な落とし穴を避けながら優先度を調整する手順と、作業内容に合わせてパフォーマンスを引き上げるコツを具体的にお伝えします。
手順に沿って操作するだけでアプリが滑らかに動きやすくなりますので、休憩時間にでも試し、快適なパソコン環境へ一歩進めてみませんか。
タスクマネージャーで優先度を変えるやさしい手順

パソコンで動いているプログラムの優先度は、実はいくつかの方法で変えられます。状況や好みに合わせて使いやすい方法を選んでみてください。
- タスクマネージャー:Ctrl+Shift+Escで起動して、対象のプログラムを右クリック→「詳細表示」→「優先度の設定」から簡単に切り替えられます。
- コマンドプロンプト:
tasklist
でPIDを確認してからwmic process where processid=1234 call setpriority "high priority"
のように実行できます。 - PowerShell:
Get-Process プロセス名 | ForEach-Object { $_.PriorityClass = "AboveNormal" }
で一括変更できるので、スクリプト運用したいときに便利です。
エンジニアの経験からすると、あまり高くしすぎると他の処理が重くなることがあるので、AboveNormalかHighあたりを試してみると安全ですよ。
タスクマネージャーから手動で変える

タスクマネージャーを開けば追加のアプリを入れずにプロセスの優先度を直接変えられます。この方法は急ぎの作業中に特定アプリへしっかりリソースを回したいときや、バックグラウンドで動かす処理の負荷を抑えたいときにぴったりです。
①Ctrl+Shift+Escでタスクマネージャーを開く
キーボードのCtrlキーとShiftキーとEscキーを同時に押します。最新のWindows11でもこのショートカットはそのまま使えるので、いざというときにすぐプロセス一覧をチェックできます。
②必要なら「詳細」をクリックして一覧を出す
タスクマネージャーを開いたときに見えている簡易表示だと、主要なアプリしか表示されません。
もっと詳しくしたいときは、左下にある詳細をクリックしましょう。全プロセスと使っているリソースが一覧で出てきます。
③優先度を変えたいアプリを右クリックする
優先度を変えたいアプリをリストから見つけ、そのプロセス名の上で右クリックします。すると、優先度を設定するメニューが表示されます。
④「優先度の設定」を選んで好きなレベルをクリック
プロセスを右クリックして表示されたメニューから優先度の設定にカーソルを合わせてください。
リストの中から「低」「通常」「高」「高以上」「リアルタイム」など好みのレベルをクリックすると、すぐに優先度が反映されます。
「リアルタイム」はほかの処理を圧迫しやすいので、特別な理由がないかぎり選ばないようにしてください。
⑤警告が出たら内容を読んで「変更」を押す
「ユーザーアカウント制御」ダイアログが出たら発行元や操作内容をゆっくり読んでください。問題なければ「変更」を押して優先度の更新を完了しましょう。
ダイアログが他のウィンドウの裏側に隠れている場合はAlt+Tabキーで探すと見つかりやすいです。
ショートカットで優先度を決めてアプリを起動する

ショートカットに優先度情報を組み込むと、ふだん使うアプリをワンクリックで好きな優先度で立ち上げられます。タスクマネージャーを開いて手動で設定する手間がなくなるので、同じアプリを何度も高い優先度で動かしたい場面にピッタリです。
たとえば重めの開発環境やゲームをよく使う場合、start /HIGH "エディター" "C:\Tools\Editor.exe"
のようなショートカットを作っておくと、起動時から高い優先度ですぐ動き出す安心感があります。プログラマー目線で言うと、ビルド中の応答性がグッと上がるのを体感しました。
①デスクトップで右クリックして「新規作成」→「ショートカット」を選ぶ
何もないデスクトップ上をマウスで右クリックしてください。
表示されたメニューで新規作成にカーソルを合わせ、続いてショートカットをクリックします。
②入力欄にcmd /c start “” /high “パス\アプリ.exe”と打つ
表示された入力欄に、以下のコマンドをコピー&ペーストします。パス\アプリ.exeは自身の実行ファイルの場所に置き換えてください。
cmd /c start "" /high "パス\アプリ.exe"
実体験からのコツですが、エクスプローラーからexeをドラッグ&ドロップすると正確なパスが自動入力され、ミスをぐっと減らせます。
③ショートカットの名前をわかりやすくつける
デスクトップにあるショートカットを右クリックして名前の編集を選びます。
起動アプリ名のあとに「高優先度」や「HP」といった識別しやすいキーワードを付け加えて、どのショートカットかすぐ分かるようにしましょう。
確定するにはEnterキーを押すか、画面内の何もないところをクリックします。
注意:名前を長くしすぎると画面に収まりきらずに見切れることがあります。
④アイコンを変えたいときはプロパティから好きなアイコンを選ぶ
タスクマネージャーのショートカット(または実行ファイル)を右クリックして<strong>プロパティ</strong>を開きます。
プロパティ画面の下部にある<strong>アイコンの変更</strong>ボタンをクリックしてください。
表示されたアイコン一覧から好みのアイコンを選び、<strong>OK</strong>を押せば完了です。
優先度変更を活かして毎日をもっと快適に

応用技 | 役立つシーン |
---|---|
高優先度設定 | ゲームをプレイ中にラグを軽減したいとき |
低優先度設定 | バックグラウンドで重い処理を動かしつつ普段の操作を快適に保ちたいとき |
プロセスグループ化 | 複数の関連タスクをまとめて優先度管理したいとき |
優先度の切り替えをうまく使うと、重い処理もサクサクこなしながらいつもの作業をストレスフリーに進められます。
ゲームでフレームレートを少しでも伸ばしたいとき

ゲーム中にフレームレートをほんの少しでも上げたいときは、タスクマネージャーでゲームのプロセス優先度を高めるのがお手軽な方法です。背景で動いているアプリに割り当てているCPUリソースをゲームにシフトできるので、描画負荷が高いシーンでわずかな余裕を生み出せます。ただし、優先度を上げすぎるとほかのアプリが固まることもあるので、プレイ後は元の設定に戻すことが安心です。
- すぐできる:管理者権限不要で起動直後からOK
- 設定はマウス操作:一覧からゲーム名を選んで変更するだけ
- CPU負荷が高い場面で効果大:シーン切り替えや大規模戦闘時に体感しやすい
- 安定重視なら戻す:終了後に「通常」に戻せば安心してほかアプリも動かせる
ゲームを起動したあとすぐに優先度を高にする
ゲームが起動したらすぐにCtrl
+Shift
+Esc
キーを同時に押してタスクマネージャーを開きます。
「詳細」タブでゲームのプロセス名(例:game.exe)を見つけて右クリックし、「優先度の設定」→「高」を選んでください。
高優先度にするとCPUリソースがゲームに集中しますが、ほかのアプリが重くなる場合があります。必要に応じて元に戻してください。
動画エンコードの待ち時間を短くしたいとき

動画エンコード中はCPUの心臓部がフル回転するため、待ち時間が長く感じることがあります。このときタスクマネージャーからエンコードソフトのプロセス優先度を上げると、ほかの作業よりも先にCPUリソースが配分されるようになります。
優先度を上げるとエンコード完了までの時間がグンと短くなって、夜間に長時間かける作業もサクッと終わらせられます。ただしほかのアプリ操作や動画プレビューが少しカクつくことがあるので、作業が終わったら優先度を元に戻しておくといいですよ。
エンコードソフトの優先度を高にしてCPUをしっかり使う
エンコードソフトをしっかりCPUに動いてもらうためには、タスクマネージャーで優先度を高にアップしてあげましょう。
Ctrl+Shift+Esc
で呼び出すか、タスクバーを右クリックして「タスクマネージャー」を選びます。
「詳細」タブを開き、エンコードソフトのプロセスを右クリック→「優先度の設定」→「高」をクリックします。
優先度を上げると他のアプリの動きが遅くなることがあるので、エンコードが終わったら元に戻すことをおすすめします。
ブラウザーの優先度を下げて裏での作業を静かにさせる

ブラウザーの優先度を下げると、背後で進めたい大きな作業により多くのCPUを割り当てられます。たとえば動画の書き出しや大きなファイルの圧縮を行っているときに、この設定をしておくと書き出し速度が安定し、スムーズに進んでいるかを確認しやすくなります。
作業中もブラウザーはまったく止まるわけではなく、ネット検索やチャットは普通に使えるので、動画作成やデータ処理をしながらちょっと調べ物をしたいときにも安心です。終わったら元の優先度に戻すのを忘れずに行うと、また普段どおり快適にウェブ閲覧できます。
タスクマネージャーでブラウザーを低にする
画面下のタスクバーを右クリックして「タスクマネージャー」を選ぶか、キーボードでCtrlキー+Shiftキー+Escキーを同時に押してください。
「プロセス」タブに切り替えて、ご利用中のブラウザー名(例: Google ChromeやMicrosoft Edge)を見つけてください。
ブラウザー名を右クリックして「詳細」を選び、詳細画面の「プロセス」リストで該当行を右クリック後に「優先度の設定」→低を選んでください。
ブラウザーの優先度を下げすぎるとページの読み込みや動画再生が遅く感じられることがあります。
よくある質問

プロセスの優先度を上げると本当に動作が速くなるの?
- プロセスの優先度を上げると本当に動作が速くなるの?
重い処理やゲームなどCPUリソースを多く使うアプリでは実感しやすいです。普段の軽い作業だと変化がわかりにくいこともあります。
優先度を上げたら他のアプリが重くなることはない?
- 優先度を上げたら他のアプリが重くなることはない?
バックグラウンドの軽い処理は少し遅くなるかもしれませんが、普段使いで極端に影響を感じることはほとんどありません。心配なときはタスク終了と組み合わせるとより安心です。
管理者権限なしで優先度変更はできる?
- 管理者権限なしで優先度変更はできる?
通常プロセスなら標準権限で優先度を変えられます。ただしシステムや他ユーザーのプロセスは管理者権限が必要です。
優先度を上げるとパソコンが壊れる?
優先度を上げてもパソコン本体が故障することはありません。あくまでOSが「どのアプリを先にCPUに渡すか」を調整しているだけなので、熱や部品に直接負担をかけるわけではないからです。
ただし、リアルタイムの優先度をむやみに選ぶと重要なシステム処理が後回しになり動作が固まる場合があります。プログラマー目線ではまず「高」か「やや高」から試し、動きに問題がないか確認しながら調整すると安心です。
毎回起動のたびに設定し直すのが面倒?
起動するたびにタスクマネージャーで優先度を上げ直すのはちょっとした手間ですよね。バッチファイルやタスクスケジューラーを使って、自動で好みの優先度で立ち上げるようにしておくと、毎回の設定がいらなくなって快適になります。
- バッチファイルで自動化:
start /high "アプリ名" "実行ファイルのパス"
を記述したバッチを作り、デスクトップに置けばダブルクリックだけで毎回同じ優先度で起動できます。 - タスクスケジューラーで起動:Windows標準のスケジューラーでアプリの登録をし、
高
などの優先度を指定すれば、PC起動時やスケジュール日時に自動で希望の優先度で実行できます。
リアルタイムにしても速くならないのはなぜ?
リアルタイムに設定するとプロセッサの割り込みタイミングが優先的になりますが、そもそもソフトが使う処理量以上に高速化できるわけではありません。
CPU使用率がすでに頭打ちの状態では、いくら優先度を上げても待ち行列が減るわけではないため、反応は変わりません。
さらに、リアルタイム優先はドライバなどのシステム処理を圧迫しやすく、逆に全体のパフォーマンス低下を招くこともあります。
必要なのは優先度の上げすぎではなく、並列化(マルチスレッド化)や不要な常駐アプリの停止などで、処理待ちを減らすことです。
管理者権限がないと優先度が変えられない?
タスクマネージャーでプロセスの優先度を上げようとすると、項目がグレーアウトして押せないことがあります。これはWindowsがシステムの安定を守るために管理者権限を求めているからです。権限がないまま操作すると予期せぬトラブルにつながる可能性があるので、まずは適切な手順で権限を確保しましょう。
- 管理者アカウントでログイン:管理者権限を持つアカウントに切り替えれば、すぐに優先度の変更が可能です。
- タスクマネージャーを管理者として起動:スタートメニューで右クリック→「管理者として実行」を選ぶだけでOKです。
- システム管理者に依頼:社内PCなどでは自分で権限を得にくい場合があるので、必要時にお願いしてみましょう。
まとめ

タスクマネージャーでプロセスの優先度を上げると、必要なアプリがCPUリソースを優先的に受け取れるようになり、重い処理でも動作がぐっと軽く感じられます。
手順はシンプルで、タスクマネージャーを開いて優先度を変更したいプロセスを右クリックし、「優先度の設定」から高やリアルタイムを選ぶだけです。大事なポイントは、常に必要なアプリだけを対象にして、システムプロセスはそのままの優先度にしておくことです。
設定を反映させたら作業中のアプリの動きをチェックしてみてください。サクサク感が実感できたら成功です。これで最新のWindows環境でも、もっと快適にパソコンを使いこなせます。