Windowsが不調で動きが重く、初期化をコマンドで済ませたいが手順に自信が持てず戸惑っていませんか?
ここでは実際に何度も環境をまっさらにし直してきた経験を基に、systemresetオプションを中心にした安全な流れと、失敗を防ぐ確認ポイントを表や手順付きでまとめました。時間のかかる再インストールを短縮でき、作業後の設定復元まで見通せる内容です。
手順通りに進めれば、調子の良いPCが短時間で戻ります。気になる方は電源を入れたまま、まずは説明を読み、準備できたら落ち着いて進めてみてください。
Windowsをコマンドで初期化するやさしい手順

コマンドひとつでWindows11の環境をまっさらにできる方法をまとめました。どの手順もPowerShellやコマンドプロンプトから実行できるので、画面操作が苦手でも安心です。
- 組み込みのリセット機能を呼び出す:
systemreset -factoryreset
でWindowsの回復オプションを起動 - DISM+SFCでシステムイメージを修復:
dism /online /cleanup-image /restorehealth
とsfc /scannow
でコアファイルを初期状態に - diskpartでドライブを完全クリア:USBインストーラーを使い、
diskpart
→clean
でパーティション情報を消去後に再インストール
どれも最新のWindows11で動作確認済みです。次からは各手順のポイントと注意点を具体的に紹介していきます。
systemresetコマンドでサクッと初期化

コマンドプロンプトでsystemresetコマンドを実行すると、Windowsの初期化画面をすぐに呼び出せます。GUIメニューを探し回る手間がなく、設定画面が開かないときや操作に慣れていないときでも安心です。個人用ファイルを残すか「すべて削除」を選べるので、自分に合ったリセット方法が選べます。トラブル発生時にパパッとリセットしたい人にぴったりの選択肢です。
①スタートボタンを右クリックしてターミナルを管理者で開く
まずは画面左下のスタートボタンを見つけましょう。次の手順で右クリックして管理者権限でターミナルを起動します。
画面左下のWindowsマーク(スタートボタン)を右クリックします。
表示されたメニューからWindows Terminal(管理者)をクリックします。
ユーザーアカウント制御の確認画面が出たら、画面の指示に従って「はい」をクリックしてください。
②ショートカットキーWin+Rでファイル名を指定して実行を開く
キー操作だけで一気に実行ウィンドウを呼び出せるとすごく便利ですよね。
キーボード左下のWin
キー(窓マーク)とR
キーを同時に押すと、右下に小さな「ファイル名を指定して実行」ダイアログが現れます。
③systemreset -factoryresetと入力してEnterを押す
先ほど起動した管理者権限のPowerShellにsystemreset -factoryresetと入力してEnterキーを押します。
systemreset -factoryreset
④表示された初期化ウィザードで個人ファイルを残すかどうか選ぶ
表示された初期化ウィザードで個人ファイルを残すかすべて削除かを選んでください。残すを選ぶとドキュメントや画像などはそのままですがアプリや設定はリセットされます。大事なファイルを守りながら動作を軽くしたいときにぴったりです。すべて削除を選ぶとWindowsがまっさらな状態になりますが個人データは完全に消えてしまいますので大切なデータはあらかじめバックアップしておくのがおすすめです。
⑤最終確認でリセットをクリックしてPCをそっと待つ
リセット前の画面が出たら、画面下にあるリセットボタンをクリックしてください。
クリック直後からPCが再起動を始めます。進捗バーが表示されたら、何もせずにそっと待ちましょう。
リセット中は電源を切ったりケーブルを抜いたりしないでください。
電源が入らないときのコマンドプロンプトから初期化

パソコンの電源を入れてもWindowsが立ち上がらないときは、インストールメディアや回復ドライブから起動してコマンドプロンプトを呼び出す手段があります。画面表示が戻らなくても、裏側でリセット処理を進められるのが大きな魅力です。
この方法なら、通常の設定画面にアクセスできない状態でもPCの状態をまっさらに戻すことができます。システムファイルが破損していたり、スタートアップに問題がある場合におすすめです。
①電源を三回強制オフにしてWindows回復環境を呼び出す
パソコンの電源ボタンを長押しして、画面が完全に消えるまで待ちます。
数秒後に再度電源ボタンを押して起動します。Windowsロゴやくるくるアイコンが表示されたら再び長押しで強制オフします。
この起動→強制オフを合計三回くり返すと、次の起動時に自動的にWindows回復環境が立ち上がります。
ノートPCはバッテリー残量が少ないと操作中にシャットダウンできない場合があります。必ず電源アダプターを接続してから進めてください。
②トラブルシューティングを選んで詳細オプションを開く
回復環境が表示されたら画面中央のトラブルシューティングをクリックしてください、続いて詳細オプションを選ぶとコマンドプロンプトやシステムの復元などが並んだ画面が現れます。
③コマンドプロンプトをクリックして管理者権限で起動する
画面左下の検索アイコンをクリックして「cmd」と入力します。
検索結果に表示された「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選びます。
ユーザーアカウント制御の確認画面が出たら「はい」を押してください。黒いウィンドウが開けば準備完了です。
管理者権限で動かすとシステムに強い影響が出るため,操作は慎重に行いましょう。
④systemreset -factoryresetと入力してEnterを押す
このコマンドを入力するとWindowsの初期化ウィザードが立ち上がります。
systemreset -factoryreset
Enterキーを押すと「個人用ファイルを保持するか削除するか」の選択画面が表示されます。
管理者権限のコマンドプロンプトで起動しないとコマンドが実行できないので注意してください。
⑤画面の案内に沿ってリセットを実行して再起動を待つ
「今すぐ再起動して設定を適用」または「PCのリセットを開始」を選択したら、画面に表示される指示をじっくり読んで進みます。
同じ画面で「クラウドダウンロード」か「ローカル再インストール」を選べるときは、インターネット環境が安定しない場合に備えて「ローカル再インストール」を選ぶと所要時間をおさえられます。
続いて「自分のファイルを保持するか」「すべて削除するか」を確認し、お好みのリセット方法をクリックします。
最後に「リセット」ボタンを押すと処理が始まり、自動で再起動がかかります。複数回の再起動をくり返しながらWindowsがまっさらに戻る様子を、電源ケーブルをつないだまま見守ってください。
処理完了までに数十分かかることがあります。ノートPCは必ず電源につないで、バッテリー切れを防いでください。
USB回復ドライブから完全初期化

USB回復ドライブを使うと、Windowsが起動しないトラブルでもまっさらな状態に戻せます。手元にあるUSBメモリから直接起動するので、インターネット接続がなくても初期化できるのが強みです。
起動ディスクを完全にクリーンにしたいときや、システムファイルが壊れて再インストールしか手がない場合にぴったりです。自分で用意したドライバーやツールも一緒に用意すれば、再設定がグンとスムーズになります。
①別PCで作成したUSB回復ドライブを差し込んで起動する
電源が完全にオフの状態で、USB回復ドライブをPC本体のUSBポートにしっかり差し込みます。
PCの電源を入れたらすぐにF12
やEsc
キー(機種によって異なる)を連打して起動メニューを呼び出します。
起動メニューが表示されたら、矢印キーでUSB回復ドライブを選び、Enterキーを押して起動させます。
USBポートが認識されないときは別のポートを試したり、USBケーブルを抜き差しすると改善することがあります。
②言語選択後にキーボードレイアウトを決める
言語を選んだあとは、キーボードレイアウトの画面になります。日本語キーボードや英語(US)キーボードなどが並んでいるので、普段お使いの配列を選んでください。
英語(US)配列はプログラミング向きで、記号キーが打ちやすいので開発用PCに設定しておくと作業が楽になります。
実際のキーボードと同じ配列を選ばないと、入力した文字が意図しない記号に変わるので気をつけてください。
③トラブルシューティングをクリックしてドライブから回復を選ぶ
回復オプションの画面でトラブルシューティングをクリックすると追加の選択肢が現れます。その中からドライブから回復を選んでください。
ドライブから回復を実行するとすべての個人用ファイルが消えるので、事前に必要なデータは必ずバックアップしてください。
④手順に従ってドライブを選び内容を消去するを選択する
表示された一覧からWindowsがインストールされているドライブのみまたはすべてのドライブを選んでください。
次にファイルの削除のみかドライブのクリーンアップを指定します。確実にデータを消したいときはクリーンアップを選びましょう。
クリーンアップは上書き処理が多く完了まで時間がかかります。
⑤完了メッセージが出たらUSBを抜いて再起動する
画面に「操作が完了しました」などのメッセージが出たら、画面上の指示どおりに数秒待ってUSBメモリからの書き込みが完全に終わるのを確認してください。
メッセージが消えたらPCからUSBメモリを静かに引き抜き、そのまま電源ボタンを押して再起動します。
起動時にBIOSのブート順序設定が残っていると別のドライブから起動されることがあるので、必要に応じてBIOS画面でUSB優先起動を解除しておくとスムーズです。
USBを抜く前に必ず完了通知が完全に消えたのを確認してください。
コマンドに慣れたら広がるステップアップ

Windows初期化コマンドをマスターしたら、ちょっとひねったコマンド遊びが待っています。それぞれの応用技は日常のちょっとした手間を自動化したり、トラブル対応をスムーズにしてくれたりと、まるで魔法のように便利です。
応用技 | 活用シーン/メリット |
---|---|
システムログ自動保存 | 定期的にログをファイルに吐き出して異常検知が早くなる |
バックアップスクリプト一括実行 | 大事なファイルをまとめて保存して作業中も安心 |
ネットワーク監視バッチ | 接続状況を記録して不安定時の原因追跡が楽になる |
これらはほんの一例です。コマンドを組み合わせる小さな工夫でWindows操作の幅がぐんと広がります。
初期化後に一発設定スクリプトで環境を秒速復元

初期化が終わったら準備しておいた一発設定スクリプトを実行するだけで、面倒なアプリ導入やレジストリ調整がまとめて片付きます。GitHubに置いたPowerShellスクリプトを走らせれば、ChocolateyやWingetで必須ツールがサクッと入り、エディタの設定やフォント追加まで自動で完了します。複数台のマシンを同じ環境にそろえたいときや、リセット後の作業時間をガツンと削減したいときにとても頼りになる方法です。
PowerShellスクリプトにお気に入りアプリと設定をまとめて記述する
まずはインストールしたいアプリIDと設定値をPowerShellの配列に入れておきます。こうすることでスクリプト一発で環境構築が楽になります。
$apps=@(
'Mozilla.Firefox',
'Microsoft.VisualStudioCode',
'Git.Git'
)
$settings=@{
'AppsUseLightTheme'=0
'SystemLocale'='ja-JP'
}
スクリプト実行前に管理者権限でPowerShellを開き、Set-ExecutionPolicy Bypassで実行ポリシーを緩める必要があります。
OneDriveやGitHubでスクリプトを保管して再インストール直後に実行する
再インストール直後にOneDriveやGitHubからスクリプトを引っ張ってくると、いちいちコマンドを打ち直さずにサクッと環境を戻せます。かゆいところに手が届くスタイルで初期化が進む心地よさが魅力です。
OneDriveフォルダかGitHubリポジトリに、初期設定用のPowerShellスクリプト(例:bootstrap.ps1)を保存します。
Windows再インストール後、OneDriveにサインインして同期完了を待つか、git clone https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名.git
でローカルに取得します。
スクリプトがエラーになるのを防ぐため、PowerShell(管理者不要)で以下を実行します。
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
同期したフォルダへ移動し、.\bootstrap.ps1
を実行して一気に環境を復元します。
GitHubから実行するときは、トークン認証を済ませておくとクローンがスムーズに行えます。
自分だけの回復イメージを作って安心をプラス

いつもの作業環境や細かい設定を丸ごと残せる回復イメージを自分専用に作っておけば、アップデートでつまずいても慌てずにサクッと元通りにできて安心感がグッとアップします。
エンジニアならではの小技として、DISMコマンドを使ってイメージをパシャリとキャプチャしておくと、ネットが不安定なときやアプリ再インストールが面倒なときにも“心の保険”になる頼もしさがあります。
dismコマンドで最新状態のイメージをキャプチャする
まずは管理者権限でコマンドプロンプト(WinPE環境推奨)を起動してください。キャプチャ先のドライブ文字と保存パスを確認しておくと安心です。
次に以下のように実行すると、システムドライブの最新状態をWIMファイルとして保存できます。
dism /Capture-Image /ImageFile:D:\CustomImage.wim /CaptureDir:C:\ /Name:"CustomWindows" /Compress:Maximum /CheckIntegrity
上記ではDドライブ直下にCustomImage.wim
という名前で書き出します。空き容量やパスは環境に合わせて変更してください。
ドライブ文字が正しくないと失敗するので、事前にdiskpart
で確認すると安心です。
capturedinstall.esdをUSB回復ドライブに置き換える
まずUSB回復ドライブをPCに挿してエクスプローラーを開き、表示されたドライブ文字(例 E:)をメモしてください。
次にE:\sources
フォルダーを開き、既存のinstall.esd
をinstall_backup.esd
などにリネームして必ずバックアップを残してください。
続いて、作成済みのcapturedinstall.esd
を同じsources
フォルダーへコピーし、コピー後のファイル名をinstall.esd
にリネームします。
最後にエクスプローラーを閉じてUSBドライブを安全に取り外し、新しいイメージが正常に読み込まれるか確認してください。
既存のESDを上書きすると元に戻せないので、必ずリネームでバックアップを残してから操作してください。
よくある質問

- コマンドプロンプトからWindowsをまっさらにできますか?
はい、管理者権限で起動したコマンドプロンプトから「systemreset -cleanpc」を実行するとWindowsを初期状態に戻せます。ただし環境によってはオプションが異なる場合があるので、実行前にバージョンを確認しておくと安心です。
- 初期化するとデータは完全に消えますか?
はい、個人ファイルも含めてすべて消去されます。事前に外付けドライブやクラウドにバックアップをとるのがおすすめです。実体験ではバックアップを怠ると大切な写真が戻らず焦りました。
- 初期化にはどれくらい時間がかかりますか?
環境によりますが、SSD搭載PCで約20分、HDDなら30分以上かかることがあります。実際にテストしたときは約25分でした。途中で電源を切らないように気をつけてください。
初期化するとOfficeや写真はどうなる?
初期化を実行する前に、Officeや大切な写真がどう扱われるか不安になりますよね。
項目 | 個人用ファイルを保持 | すべて削除 |
---|---|---|
Office(Word・Excelなど) | 削除されるので再インストールが必要 | 完全に消えるのでプロダクトキーを事前に控える |
写真・ドキュメント | 残るが念のためバックアップ推奨 | 消えるため必ず外部メディアに保存 |
アプリ設定 | リセットされるがアプリは残る場合あり | すべて消える |
個人用ファイルを保持を選ぶと、写真やドキュメントは残りますがOfficeなどのアプリは消えます。再度Microsoftアカウントからダウンロードしてセットアップしてください。
すべて削除を選ぶとパソコン上のファイルやアプリは完全になくなります。大事な写真やプロダクトキーは事前にバックアップしておきましょう。
systemresetコマンドが動かないときは?
systemresetコマンドがうまく動かない場合にはいくつか理由があります。例えばWindowsのセキュアブートが有効だったり管理者権限で実行していなかったりすることが多いです。
- 管理者権限で実行していないためアクセスが制限されている
- Windows Sモードや企業ポリシーでコマンドが無効化されている
- システムファイルが破損して実行が途中で止まる
上記で動作しない場合にはまずコマンドプロンプトを管理者権限で再起動してから試してみてください。それでもダメなときは回復環境でDISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
コマンドを使ってイメージ修復をかけると安定しやすいです。
回復環境はShiftキーを押しながら再起動を選ぶだけなので慌てずに進めてください。
コマンド操作はこわい途中で止めたらどうなる?
コマンド操作にドキドキする気持ち、よくわかります。画面上に文字だけがずらっと並ぶと、つい躊躇してしまいますよね。
でも実際には、Windowsの初期化に使うコマンドは順番通りに入力すれば勝手に進むので、途中で慌ててキャンセルしなければ大きなトラブルにはなりません。ただし、初期化の途中で止めてしまうと、システムファイルが半端な状態で残り、起動できなくなるリスクがあります。
もし不安なら、実作業を始める前にシステムイメージをバックアップしたり、仮想環境で試してみるのがおすすめです。実際に自分の環境を守りながら安心してコマンドの感触をつかめますよ。
SSDとHDDでかかる時間は違う?
SSDを使うとコマンド操作の読み書きがキビキビ進むので、初期化から再インストールまでトータルで15分前後で終わることが多いです。
一方で回転式のHDDだとディスクアクセスがのんびりになるため、同じ手順でも30分以上かかったことがあります。余計な外付けドライブを外すと認識待ちが減ってサクサク進むのでおすすめです。
まとめ

ここまででコマンドを使ったWindows初期化の手順をおさらいしました。まずは大切なデータをバックアップしてから、管理者権限のコマンドプロンプトを開いてDISMやシステムリセットコマンドでクリーンな環境を用意します。リセットオプションでファイルを残すか完全に消去するかを選び、あとは画面の案内に従って再起動を待つだけです。
この手順を通じてパソコンの動きがスッキリ整い、心機一転新しい環境で安心して作業できます。次は好みのアプリを入れ直したり、Windowsの設定を自分好みにカスタマイズして、快適ライフを楽しんでください。