Windowsの動きが重くなり、ログインせずにトラブルを解決したいのに、どのように初期化を進めればよいか分からず不安になっていませんか。
このガイドでは、サインイン画面から呼び出す回復オプションとUSBメモリを使うクリーン復元の2通りを、画面写真に沿ってやさしく説明します。加えて、個人ファイルを残す場合と全部消して軽くする場合の選び方や、安全に作業するための事前準備も体験をもとにまとめます。
読み進めれば、パソコンが立ち上がらない場面でも慌てずに操作を選択できる自信が得られます。トラブルが拡大する前に、ゆっくり深呼吸して次のステップへ踏み出してみませんか。
ログインせずにWindowsを初期化するやさしい手順まるわかり

思い通りにログインできなくて不安でも焦らないでください。Windowsにはパスワード入力なしで本体をすっきり初期化する仕組みがあります。
- Windows回復環境からのリセット:内蔵のリカバリー機能で起動後すぐに工場出荷時状態へ戻せます。
- インストールメディアを使った初期化:別PCで作成したUSBメディアから起動すれば、システムが壊れていてもクリーンインストールできます。
- コマンドプロンプト経由で強制クリーニング:エンジニア向けの裏ワザとしてdiskpartやresetコマンドで直接ディスク内容を削除できます。
大事なファイルはすべてバックアップしておきましょう。初期化するとデータは完全に消えます。
サインイン画面から回復オプションを開いてリセットする

サインイン画面で電源アイコンをクリックし、Shiftキーを押しながら再起動を選ぶと、Windowsの回復オプションが開きます。この方法ならログインせずに回復環境へ進めるので、パスワードを忘れたときやシステムトラブルが起きたときにも使えて心強いです。
回復オプションの「PCをリセットする」を選ぶと、アプリや設定を初期状態に戻せます。個人用ファイルを残すかすべて削除するかを選べるので、大切なデータを守りながら安心してトラブルを解消できます。
①サインイン画面右下の電源アイコンをクリック
サインイン画面の右下にある電源アイコンをマウスでクリックしてください。
これで再起動やシャットダウンなどを選べるメニューが開きます。
②Shiftキーを押しながら再起動を選ぶ
スタート画面の右下にある電源アイコンをクリックします。Shiftキーを押しながら「再起動」を選ぶと、サインイン画面をスキップしてWindowsのトラブルシューティングメニューへ直接進めます。
③オプションの選択でトラブルシューティングを選ぶ
回復環境のオプション画面が表示されたら、画面中央のトラブルシューティングをクリックします。
ここからリセットや詳細オプションが利用できるようになります。
トラブルシューティングが見つからない場合は、電源メニューから「再起動」をShiftキーを押しながら選んでください。
④このPCを初期状態に戻すをクリック
オプション画面に表示されるこのPCを初期状態に戻すボタンをクリックしてください。
これでリセットモードに入り、「個人用ファイルを保持する」か「すべて削除する」かの選択画面へ進みます。
場合によってはUACの確認が出るので「はい」を選んで続けてください。
⑤ファイルを保持するか完全に削除するかを決めて開始
再セットアップを始める前に、個人ファイルを残すか、それとも完全に削除するかをはっきり決めましょう。残したい写真やドキュメントがある場合は「ファイルを保持」、パソコンをまっさらにしたい場合は「すべて削除」を選んでください。
設定>システム>回復の順に進み、「このPCをリセット」の「PCをリセットする」をクリックします。
「ファイルを保持する」か「すべて削除する」を選んで、「次へ」を押します。その後、画面の指示に従ってリセットを進めましょう。
注意:ファイルを保持する場合でも、念のため大事なデータは外付けドライブやクラウドにバックアップしておくと安心です。
インストールUSBを使ってリセットする

インストールUSBを使ってリセットする方法はパソコンにログインできないときやシステムに深刻なトラブルが起きているときにぴったりです。USBメモリから起動してWindowsをまっさらに戻せるので、設定やアプリのにっくき問題を一気に片付けたいときに頼りになります。
プログラマーの視点からは、コマンドプロンプトで細かいオプションを指定できるのがうれしいポイントです。必要なドライバーだけを残したり、不要なデータを飛ばしたりと自由度が高いので、自分仕様のクリーンインストール環境を自作する感覚でリセットできます。
①別PCで公式メディア作成ツールをダウンロード
別のPCでブラウザーを起動し、Windows 11の公式ダウンロードページ(https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11)を開きます。
「ツールを今すぐダウンロード」ボタンをクリックし、ダウンロードが完了するまで待ちます。高速回線なら数分で終わります。
②USBメモリにインストールメディアを作る
容量8GB以上のUSBメモリをPCに差し込みます。中のデータはすべて消えるので大切なデータは事前にバックアップしてください。
マイクロソフト公式サイトから「Windows11インストールメディア作成ツール」をダウンロードします。公式以外を使うと失敗リスクがあるので公式サイトから入手するのが安心です。
ダウンロードしたツールをダブルクリックで起動し、「別のPC向けにインストールメディアを作成する」を選びます。言語、エディション、アーキテクチャはデフォルトでOKです。
「USBフラッシュドライブ」を選び、差し込んだUSBメモリを指定します。あとはツールに任せて完了まで待ち、「完了」をクリックして閉じます。
書き込み中にUSBを抜かないよう注意してください
③初期化したいPCの電源を入れた直後にBootメニューキーを連打
初期化したいPCの電源ボタンを押します。長押しではなく、一度だけ軽く押すと内部プロセスが停止せず安心です。
起動中のロゴが出た直後から、F12キーやEscキー、F10キー、F2キーをすばやく連打します。タイミングが早すぎても遅すぎても表示されないので、ロゴが消えてBIOS画面に移るまで試してください。
Bootメニューに入れない場合は一度電源を切り、再度同じ手順で挑戦してください。
④USBから起動して今すぐインストールを選ぶ
パソコンの電源を入れ直して起動ロゴが出たらEscやF12キーを連打します。起動デバイス選択画面で作成したUSBメモリを選ぶと、自動でWindowsセットアップ画面が立ち上がります。
セットアップが始まったら最初に表示される今すぐインストールボタンを選びます。もし日本語以外の言語が出たら、ドロップダウンから「日本語」「日本」を選び直してください。
⑤カスタムインストールを選びドライブをフォーマットして進む
セットアップ画面で「インストールの種類を選んでください」と表示されたら、カスタム:Windowsのみをインストールをクリックします。
次に、ドライブ一覧からリセットしたいパーティションを選び、フォーマットを押します。警告が出たらよく内容を確認して「OK」をクリックしてください。
フォーマットが終わったら「次へ」を押して進みます。
ドライブをフォーマットすると中のデータが完全に消えます。大事なファイルは必ずバックアップしてください。
初期化後すぐ試したい快適アップの応用テクニック

初期化直後のすっきりした状態を活かして、少しの工夫でWindowsをもっと快適にしてみましょう。本来のサクサク感を取り戻すおすすめの応用テクニックをまとめたので、気になるものから試してみてください。
応用テクニック | 役立つ場面 | 期待できる効果 |
---|---|---|
不要スタートアップ整理 | 起動後の動きが遅いと感じるとき | 起動時間の短縮とメモリ負荷の軽減 |
電源設定カスタマイズ | バッテリー駆動中にパフォーマンスを維持したいとき | 消費電力を抑えつつ動作を安定化 |
仮想メモリ最適化 | 大きなファイルを扱うとき | 処理速度の向上とフリーズ防止 |
テーマ&フォント調整 | 表示に違和感を覚えるとき | 目の疲れを軽減し操作性アップ |
ドライバ最新化チェック | 周辺機器が不安定なとき | 互換性向上と動作トラブルの減少 |
不要なアプリを入れないスリムなスタートアップ設定

不必要なアプリをスタートアップに登録しないことで、起動時間がぐっと短くなります。初期化直後は何も設定されていないので、ここで必要なソフトだけを選ぶとパソコンがすっきり軽やかに動いてくれます。
設定画面からワンクリックで登録アプリをオンオフできるので、自分好みのスリムな環境があっという間に完成します。結果としてメモリの余裕もできるため、ウェブブラウジングやオフィス作業も快適になります。
設定アプリのアプリと機能でスタートアップ管理を開く
画面左下のWindowsマークをクリックします。
歯車アイコン(設定)を選んで設定アプリを起動します。
設定画面でアプリをクリックしアプリと機能を開きます。
右上にあるスタートアップをクリックすると管理画面に移動します。
要らないアプリのトグルをオフにする
起動時に自動で実行されている要らないアプリは、設定のトグルをオフにするとカンタンに停止できます。
WindowsキーとIキーを同時に押して設定を表示してください。
左側のメニューからアプリを選び、スタートアップをクリックしてください。
一覧から停止したいアプリを探し、右側のスイッチをクリックしてオフにしてください。
アンチウイルスなど必要なアプリまで止めないように注意してください。
次のトラブルに備えて復元ポイントを作る

ちょっと先を見越して準備しておくと安心です。Windowsのシステム復元ポイントを作成すると、今のパソコンの状態をまるっと保存しておけます。何か問題が起きても元に戻せるので、初期化の手順に慌てずに取り組めます。
- 保存内容:システムファイルやレジストリ設定をまるごとバックアップ。
- 作成時間:数分で終わるので気軽に実行できる。
- 復元操作:トラブル時は設定画面からワンクリックで元の状態に戻せる。
検索ボックスで復元ポイントを入力してシステムの保護を開く
画面左下のWindowsアイコンをクリックしてスタートメニューを開きます。
メニュー上部にある検索ボックスに「復元ポイント」と入力します。
検索結果に出てきた「システムの保護」をクリックして設定画面を開いてください。
今すぐ作成ボタンでポイントを保存する
「システムのプロパティ」ウィンドウの「システムの保護」タブで「今すぐ作成」を押します。
ポップアップが表示されたら、わかりやすい名前(例: 初期化前_20240501)を入力して「作成」をクリックしてください。
完了したら進行バーが消えますので、「閉じる」でウィンドウを閉じると保存が完了します。
Microsoftアカウント無しでローカル運用を続ける

MicrosoftアカウントなしでWindowsを動かすと、ネットにつながらない場面でもサクサク操作できて気楽です。
ローカルアカウントだけで起動すると、個人情報の同期を気にせずに済みますし、ネット回線が不安定なときにログイン待ちが発生しません。また、不要なクラウドサービスの通知をオフにしておくことで、シンプルな画面で集中して作業できます。
もし将来オンライン機能を使いたくなったときは、設定画面からいつでもMicrosoftアカウントを追加可能です。まずはローカル運用で気軽にWindowsの基本機能を楽しんでみましょう。
設定アカウントでローカルアカウントに切り替えるを選ぶ
画面左のメニューからアカウントをクリックし、中央にある「代わりにローカルアカウントでサインイン」を探します。リンクが見つからない場合は、少し下へスクロールしてください。
リンクをクリックすると、Microsoftアカウントのパスワード入力画面が表示されます。普段使っているパスワードを入力し、「サインイン」を選んで先へ進んでください。
パスワードを入力すると、ユーザー名と新しいローカルアカウント用のパスワード設定画面に移動します。ここで決めた情報は後で必要になるので、メモしておくと安心です。
パスワードとヒントを登録して完了する
「パスワード」欄に好きな文字列を入れます。大文字小文字数字を混ぜると安全度が上がります。
もう一度同じ文字列を「パスワードの確認」欄に入れて間違いがないか確かめます。
「ヒント」欄にパスワードを忘れたときに思い出せる一言を入れます。他人に推測されないよう工夫しましょう。
最後に「完了」をクリックすれば、新しいパスワードとヒントの登録が終わります。
よくある質問

- パスワードを忘れたアカウントでもログイン不要で初期化できる?
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はい使える場合が多いです。Windows10/11はログイン前の画面から「電源」→「再起動」をShiftキーを押しながら選ぶと回復環境に入れます。そのあと「トラブルシューティング」→「PCを初期状態に戻す」を選ぶとアカウントのパスワードがわからなくてもリセット作業が進みます。ただし暗号化ドライブの場合は回復キーが必要になるので、事前に確認しておくと安心です。
- 初期化中にバッテリーが切れたらどうなる?
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電源が突然落ちるとシステムファイルが壊れて起動しなくなるリスクがあります。ノートPCの場合は必ず電源アダプターをつないで作業しましょう。急な停電を防ぐために、できればバッテリー残量が50%以上ある状態で開始すると安心です。
- BitLocker(デバイス暗号化)が有効でも初期化できる?
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初期化はできますが暗号化されたままリセットすると復号キーがないと中のデータにアクセスできません。パスワードや回復キーを控えていない場合はドライブをまっさらに消すモードを選ぶとスムーズですが、あとでデータ復旧はできなくなるのでご注意ください。
- ネットワーク接続がない環境でもリセットは可能?
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はいオフラインでもリセットできます。ローカルの回復イメージを使う「このPCを初期状態に戻す」機能があるのでネットにつながっていなくても進められます。ただし最新の更新プログラムやドライバはインターネット接続後に別途インストールが必要になる点だけ覚えておいてください。
- 初期化後にドライバがないせいで周辺機器が動かないことはある?
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事前にメーカーサイトから主要なドライバをUSBにダウンロードしておくと安心です。特にWi-FiやBluetoothのドライバがないとネットに繋げず更新できない場合があるので、回復環境に入る前にUSBにまとめておくのがおすすめです。
初期化したら写真や書類は全部消えますか?
- 初期化したら写真や書類は全部消えますか?
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Windowsのリセットには個人用ファイルを保持とすべて削除の2つがある。
「個人用ファイルを保持」を選ぶと写真や書類は手元に残りつつ、アプリや設定だけがリフレッシュされる。
いっぽう「すべて削除」を選ぶとCドライブのデータがまるごと消えるので注意が必要だ。
大事なデータは事前に外付けHDDやクラウド(OneDriveなど)へコピーしておくと安心だ。
プロダクトキーをメモしておかないと再認証できませんか?
- プロダクトキーをメモしておかないと再認証できませんか?
-
メモを忘れても問題ありません。Windows10以降はハードウェア情報とMicrosoftアカウントに紐づくデジタルライセンスが使われているので、同じマシン・同じエディションで再インストールすればネット接続時に自動で認証が戻ります。
それでもプロダクトキーを残しておきたいときは、再セットアップ前にPowerShellを管理者権限で開いて次のコマンドを実行すると、本体に埋め込まれたキーが表示されます。
(Get-WmiObject -Class SoftwareLicensingService).OA3xOriginalProductKey
表示されたキーを安全な場所にコピーしておくと、もしものときに安心です。
リセットが途中で止まったときどうすればいい?
リセットが途中で止まると慌ててしまいますよね。でも焦らずに待ってみるのが一番です。特にドライバー更新やディスク最適化の段階では数十分かかることもありますので、まずは最低でも30分から1時間は様子を見てみてください。
それでも進まないときは、一度電源ボタンを長押しして強制シャットダウンし、回復環境(WinRE)から再起動するのがおすすめです。回復環境では「スタートアップ修復」や「システムの復元」が選べますので、問題点を自動で直しながら再度リセットを試せます。
ちなみに、外付けドライブやUSBメモリをつないだままだとリセットが固まりやすいので、実行前にすべて取り外しておくとトラブルが減ります。SSDの健康状態をチェックしておくのもプログラマー視点ならではの小技です。
メーカーのリカバリー領域も消えますか?
リセット機能の標準操作(「個人用ファイルを保持する」または「すべて削除」+「ファイルをすばやく削除する」)なら、Windowsが入っている主パーティションだけがリフレッシュされ、メーカーが用意した隠し回復領域はそのまま残ります。
ただしオプションで「ドライブを完全にクリーンアップする」を選ぶと、隠しパーティションも含めてディスク全体を消去するため、メーカー版リカバリー領域もなくなります。
注意点:Windowsインストールメディアなどから手動でパーティションを削除すると、回復領域は完全に消えてしまうので気をつけてください。
USBメディアが作れないときの代わりはありますか?
USBメディアを準備できないときは、ISOを直接マウントしたりDVDへ焼いたり、ネットワーク経由でインストールする方法があります。それぞれ気軽に試せるので安心です。
- ISOを仮想ドライブにマウント:ダウンロードしたISOファイルをエクスプローラーで右クリック→「マウント」を選んでセットアップを起動できます。
- DVDメディアを作成:書き込み可能なDVDがあれば、ISOを焼いて内蔵または外付けドライブでインストールできます。
- ネットワークブート(PXE):社内LANや特別なツールを使ってUSBなしでOSイメージを起動・展開できます。
まとめ

パソコンにログインできないときでも、Windowsの再出発は怖くありません。電源を切った状態から電源ボタンを押しつつ「Shift」キーを押し続けることで、Windows回復環境に簡単に入れます。そこから「トラブルシューティング」→「このPCを初期化する」を選ぶだけで、必要なデータを残しつつリフレッシュできるんです。
もしものときに備えて、あらかじめUSBメモリでの回復ドライブを作っておけば、ディスク破損などにも対応可能です。回復ドライブ作成はコントロールパネルの「回復」から数ステップで完了しますから、忙しい合間にでも済ませておくと安心感がまったく違います。
初期化を実行するときは、必ず大切なデータは別の外付けストレージにバックアップを。プログラマー目線でいうと、ソースコードや設定ファイルはクラウドストレージにもコピーを置いておくのがおすすめです。そうすればトラブルのあとも、すぐに開発環境を再構築できます。
ここまでの手順を押さえておけば、ログインできなくなる不安とおさらばです。あとは新しいスタートを気持ちよく切るだけ。トラブルに強いパソコン管理で、次の一歩へ進んでいきましょう。