Chromeで接続しようとするとリモートデスクトップの設定がうまく進まず、自宅のパソコンにたどり着けずに戸惑っていませんか。
ここでは、遠隔先から毎日開発環境へ入っている経験をもとに、つまずきやすいインストール手順からPINの決め方、スマホ連携までを順に解説し、操作に自信がなくても安全に遠隔操作を始められるようにします。
読み進めるうちに設定が完了し、自宅や職場のパソコンをどこからでも呼び出せる楽しさが待っています。今すぐ画面を開いたまま、ステップに沿ってリモート生活を始めてみませんか。
Chromeリモートデスクトップ設定の下準備から接続まで全部やってみよう

Chromeリモートデスクトップで自宅PCをリモート操作するための全体像を見ていきましょう。
- Chromeリモートデスクトップの拡張機能をインストール:ホスト側(自宅PC)とクライアント側(外出先PCやスマホ)に追加します。
- リモートアクセス用PINを設定:最低でも6桁の数字で安全性を高めます。
- ネットワークとファイアウォールを確認:ルーターやセキュリティソフトでポートやアクセス許可をチェックします。
- 実際に接続して動作確認:別のPCやスマホからログインして操作できるか試します。
プログラマー目線のアドバイスとして、自宅側は有線LANや高速Wi-Fiを優先し、クライアント側はVPNを併用すると安定感がアップします。
Googleアカウントで自分のPCをいつでも呼び出せるようにする

Googleアカウントを使うと、いつものサインイン手順だけで自分のPCを呼び出せます。余計な設定を減らしてサクッと遠隔操作したい人にぴったりです。
- 手軽なサインイン:普段使っているGoogleアカウントでログインするだけで準備完了。
- シームレスな接続:スマホや別のPCから同じアカウントでそのままアクセスできる。
- 2段階認証で安心:アカウント側のセキュリティを活用できるから不正アクセスを防ぎやすい。
- ワンタイムPIN設定:自分で決めた数字コードを使うので、パスワード漏洩のリスクを減らせる。
①Chromeを開いてremotedesktop.google.comにアクセス
デスクトップのChromeアイコンをダブルクリックしてブラウザを起動します。
アドレスバーにremotedesktop.google.com
と入力してEnterキーを押します。
Googleアカウントのログイン画面が出たら、Windowsで使うアカウントを選んでログインします。すでにログイン済みならそのまま進めます。別アカウントで進むと接続エラーの原因になるので注意してください。
②「リモートアクセス」タブのセットアップを押す
Chromeを開くと上部にいくつかのタブが並んでいますので、その中から「リモートアクセス」を選んでください。
タブが切り替わったら画面中央にある大きな青い「セットアップ」ボタンをクリックします。
③ダウンロードされたインストーラを起動
Windows11のエクスプローラーを開き、左メニューから「ダウンロード」を選択します。
先ほど保存したChromeRemoteDesktopHost.msi
をダブルクリックして起動します。
ユーザーアカウント制御のウィンドウが出たらはいをクリックしてインストールを許可します。
インストーラが立ち上がったら画面の案内にしたがい、次へボタンを押して進めてください。
④ユーザーアカウント制御の「はい」を選ぶ
Chromeリモートデスクトップのセットアップ中に、Windowsがユーザーアカウント制御のダイアログを表示し「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と聞いてきます。ここではいをクリックすると、ホストソフトに必要なドライバやサービスが正しくインストールされます。
もし「はい」が選べない場合は、セットアップファイルを右クリックして「管理者として実行」を試してください。
⑤パソコンの名前を入力して次へ進む
リモート先で見分けやすいように、自分でわかりやすい名前を入力します。例えば「自宅のメインPC」や「リビングノートPC」などがおすすめです。
名前を入力したら、画面下の次へをクリックします。
パソコン名にはWindowsで使用できない記号(/ \ : * ? ” < > |)を含めないよう注意しましょう。
⑥6桁PINを決めて開始をクリック
好きな6桁の数字を入力します。ただし、生年月日や連続する数字は避けて、少しひねった番号にすると安全性が上がります。
もう一度同じ数字を入力して確認できたら「開始」をクリックしてください。
PINを忘れるとリモート接続できなくなります。家族や同僚と共有しないように気を付けてください。
⑦ステータスがオンラインになったことを確認
Chromeリモートデスクトップのウェブページまたはアプリを開いて、ホスト側の管理画面を表示します。
- ホスト名の横にあるステータス表示をチェックします。
- 表示がオンライン(緑色の丸)になっていれば準備完了です。
もし表示が切り替わらない場合はネットワークの再接続やホストPCの再起動を試してみてください。
ステータスがオフラインのまま表示されてしまう場合は、Windows ファイアウォールの設定で「Chrome リモートデスクトップ」を許可しているか確認してください。
一時コードで友達や家族のPCをサクッと助ける

友達や家族のパソコンで「ちょっと見てほしい!」というときに便利なのが、Chromeリモートデスクトップの一時コード機能です。インストール済みのChromeから一時コードを発行し、相手に共有すると、手軽にリモート操作を頼めます。
生成されるコードは5分間だけ有効なので、長時間アクセスを残さずにすぐ切りたいときに安心です。コードを相手に伝えるだけでOKなので、メールやチャットでサクッとサポートできる手軽さが魅力です。
プログラマー視点でいうと、ネットワーク設定やポート開放なしで使えるのもポイント。急ぎのトラブル対応やちょっとした操作レクチャーなど、急場しのぎのサポートにピッタリです。
①サポートされる側で「サポート」タブを開きコードを取得
Chromeリモートデスクトップを開いたら、サポートされる側の画面でアクセス用のコードを取得します。
Chromeリモートデスクトップの画面上部にあるサポートをクリックします。
「コードを作成」を押すと6桁のアクセスコードが表示されます。表示されたコードをコピーしてください。
コピーしたコードは約5分で無効になります。サポートする側にすぐ送信しましょう。
②サポートする側で同じページの「コードを入力」に貼り付け
サポートする側の画面で「コードを入力」のテキストボックスを見つけます。
先ほど共有された12桁のアクセスコードをコピーして、コードを入力
欄に貼り付けます。
貼り付けたら「接続」をクリックして、相手のPCにリモート接続します。
③接続をクリックして相手の許可を待つ
Chromeリモートデスクトップの画面で、接続
ボタンをクリックします。すると「相手の許可を待機中」画面に切り替わり、ぐるぐるアイコンが表示されます。
相手のPC側には通知が届き、「共有を許可しますか?」のダイアログが出るので、相手に「共有を許可」ボタンをクリックしてもらいましょう。
相手の画面上でポップアップがブロックされた場合は、画面右上のURLバー横アイコンからポップアップを許可してください。
④作業が終わったらウィンドウ上部の切断を押す
リモート操作が終わったら、画面上部にある切断をクリックしてください。これで接続が終了し、自宅PCのセキュリティが保たれます。
Chromeリモートデスクトップでできる便利なことを広げよう

リモート接続が身につくと、自宅に限らずカフェや出張先からでも手軽にPC操作できる世界が待っています。
活用シーン | できること |
---|---|
外出先からのファイル操作 | 急ぎの資料をカフェで編集したり、忘れたファイルを取り出せる |
トラブル対応 | 家族や同僚のPC不具合をリモートで確認してスムーズに助けられる |
複数端末の一括管理 | 自宅PC・会社PCをまとめて操作しながら作業をシームレスに進められる |
マルチモニタ活用 | モバイル端末をサブディスプレイ代わりにして、大画面環境をそのまま持ち出せる |
開発環境の持ち出し | 自宅の開発環境をそのまま外でも使えるので、環境構築の手間が省ける |
ファイル転送でUSBがなくてもデータを移動

わざわざUSBメモリを取り出さなくてもChromeリモートデスクトップならパソコン同士でファイルを送りあえます。ネットにつながっていれば、リモート先とローカル間でドラッグ&ドロップでデータが移動できるのでとてもお手軽です。
- コードレスで手軽:USBの抜き差し不要でデスクトップまわりがスッキリ
- ドラッグ&ドロップ:エクスプローラー感覚でファイルをポイッと移動
- 高いセキュリティ:通信は暗号化されているので大事なデータも安心
たとえば大きな動画ファイルを送るときはあらかじめZIP圧縮してから転送すると高速化できます。プログラマーならではの裏ワザで、時間も手間もグッと減らせます。
ファイルを送りたい側で左上のメニューからファイル転送を選ぶ
画面左上の三本線アイコンをクリックしてメニューを開いてください。
メニュー内にあるファイル転送を選ぶと、送信側の準備画面が立ち上がります。
メニューが見当たらない場合は、Chromeリモートデスクトップを最新バージョンにアップデートしてください。
転送したいファイルをドラッグしてアップロード
ローカルPCのエクスプローラーで送りたいファイルを用意します。Chromeリモートデスクトップのウィンドウ内でファイル転送アイコンを選択すると、左右にローカルとリモートのフォルダ構成が表示されます。送り先のリモートフォルダをクリックしてからローカル側のファイルをつかんで、そのままリモート側のエリアにドラッグ&ドロップします。プログレスバーが表示されたら完了まで待機してください。
受け取る側で保存先を選んでダウンロード
画面下部に現れたダウンロードバーでファイル名横の∨アイコンをクリックし、保存先フォルダを選びます。
一覧に目的の場所がないときは「その他の場所を選択」をクリックし、開いたエクスプローラーで任意のフォルダをダブルクリックで開きましょう。
フォルダを決めたら「保存」を押すと、受け取り側のPCにファイルがダウンロードされます。
大きいファイルは時間がかかることがあるので、事前に軽量化しておくとスムーズです。
スマホアプリからパソコンの画面をタップ操作

Chrome Remote Desktopのスマホアプリを使うと、まるで手元にあるかのようにパソコン画面をタップ操作できます。タップやスワイプでウィンドウ移動やメニュー選択がサクサク可能です。
画面の拡大縮小やピンチ操作にも対応し、キーボードアイコンから文字入力もできるため、テキスト編集や設定変更もお手軽です。外出先で急にファイルを確認したいときや、ちょっとした修正を加えたいときにぴったりの方法です。
GooglePlayまたはAppStoreで公式アプリを取得
スマホから自宅PCにアクセスするには、まず公式アプリをインストールしましょう。
AndroidならGooglePlay、iPhoneならAppStoreをタップして起動します。
ストア上部の検索窓に「Chromeリモートデスクトップ」と入力します。
開発元がGoogle LLCになっている公式アプリを選びます。
Androidは「インストール」、iPhoneは「入手」をタップしてダウンロードします。
アプリ名が似ているものもあるため、必ず開発元がGoogle LLCであるか確認してください。
アプリを開きオンライン表示のPCをタップ
スマホやタブレットでChromeリモートデスクトップのアプリアイコンをタップして開きます。起動後に自宅PCの名前が緑色の丸アイコンとオンラインで表示されるので、その行をタップしてください。続いてPINコード入力画面が出るので、設定しておいた数字を入力すると、すぐに自宅PCの画面が手元に映ります。
PCを完全にシャットダウンしているとオンライン表示にならないので、あらかじめスリープ解除か起動しておくとスムーズです。
PIN入力後にピンチインアウトで拡大縮小
PIN入力でリモート画面が表示されたあと、画面に二本の指を乗せて指先を開く動作で拡大、閉じる動作で縮小できます。
拡大しすぎると画質が粗くなるので適度な倍率を選んでください。
複数モニターの切り替えで作業スピードアップ

複数画面を活かしたいとき、リモート先のPCと自分のディスプレイをパッと切り替えられたら作業がグッとはかどります。Chromeリモートデスクトップで接続中は、画面上部にあるモニターアイコンを押すだけで使用ディスプレイを選べます。実際に試したら、メイン画面でコードを書きながらサブ画面に資料を表示でき、わざわざウィンドウを並べ替える手間がなくなりました。デュアルモニター以上の環境を使っている人に特におすすめです。
接続中のツールバーからディスプレイアイコンをタップ
画面上部中央にカーソルを持っていくとツールバーが現れます。モニター型のアイコンをクリックすると表示オプションが開きます。
ここから全画面表示の切り替えや解像度の拡大縮小、ホスト側の複数ディスプレイ選択ができます。
高解像度モニターを使うときは、帯域を抑えるため「標準画質」や「パフォーマンス優先」に切り替えると快適です。
表示したいモニターを選択して切り替え
画面上部のツールバーにあるモニターアイコンをクリックすると、接続先PCで検出された全モニターが番号付きで一覧表示されます。
切り替えたいモニター番号をクリックすると即座に表示が切り替わります。
もし反応が遅いと感じたら、一度全画面表示を解除してから切り替えるとスムーズです。
必要に応じて「すべてのモニター」を選んで全画面表示
マウスをリモート画面の上端にゆっくり近づけると、細長いツールバーが出現します。
ツールバーの中ほどにあるモニター型のアイコンを探し、クリックします。
プルダウンからすべてのモニターをクリックすると、リモート先の全画面が一度に表示されます。
複数モニターを同時表示すると帯域やPCの負荷が増えるので、画質や動作が重く感じる場合は画面解像度を少し下げると快適になります。
よくある質問

接続できない場合はどうすればいいですか?
- ホストに接続できませんと表示される
自宅PC側のChromeリモートデスクトップを再起動し、ネットワーク接続を確認すると復旧しやすいです。VPNを使っているなら一度オフにして試すと原因が絞りやすくなります。
ログインでパスワードとPINはどちらを使うべきですか?
- PINを使うと安全性はどうなりますか?
PINはデバイスごとに設定されるので、パスワードより手軽かつ安全です。リモート接続もPIN認証をオンにすれば、毎回複雑なパスワードを入力しなくて済みます。
接続が途中で切断される原因は?
- 作業中に急に切断されてしまう
自宅PCのスリープ設定やネットワークの省電力機能が原因になりがちです。電源オプションでスリープ無効化やネットワークの省電力解除を行うと安定します。
PINを忘れたらどうする?
慌てずにリモートアクセスの設定画面を開き、ピンの再設定を選ぶだけで新しい暗証番号を登録できます。具体的にはChromeリモートデスクトップのホスト画面で「アクセス権を管理」→「PINを忘れた場合」の順にクリックし、新しいPINを入力して「変更」を押すと完了します。
もし再設定がうまくいかないときは、いったんChromeリモートデスクトップをアンインストールしてから再インストールする方法がおすすめです。アンインストール前にリモートアクセスをオフにしておくと復旧がスムーズなので覚えておきましょう。再インストール後は同じGoogleアカウントでサインインし、新しいPINを登録してください。
Windowsを再起動したら接続できなくなるのはなぜ?
Windowsを再起動するとChromeリモートのホストアプリがいったん停止するので、接続先が動いていないとみなされてつながらなくなります。
「Chrome リモート デスクトップ ホスト」サービスをスタートアップに登録して自動起動に切り替えると、再起動後もすぐに接続できるようになります。
会社のプロキシ環境でも使える?
ChromeリモートデスクトップはHTTPSとWebSocketを使うので、会社のプロキシ環境でも問題なく動きます。Windowsのシステムプロキシ設定に合わせて動作するため、Chrome側に特別な準備は不要です。
- Windowsの設定からプロキシ情報を登録すると、Chromeがそのまま読み込んでくれます。
- NTLM認証が必要なときは、CNTLMなどのローカルプロキシを導入すると認証を通しやすくなります。
- IT部門に443番ポートの通信許可を確認すると、接続がスムーズに行えます。
Wi-Fiが弱いときに動きがカクカクするのは?
- Wi-Fiが弱いときに動きがカクカクするのは?
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動きがカクカクするのはネットの通り道が細くなって映像データがスムーズに届かないからです。遠隔操作では画面の変化をリアルタイムでやり取りしているため、電波が弱いとデータが詰まって一気に届いたり遅れたりします。
まずはルーターに近づくか、5GHz帯に切り替えてみてください。可能なら有線LAN(Ethernet)につなぐと一気に安定します。それでもカクつくときはChromeリモートデスクトップの設定で画質を「中」や「低」に下げると、使う帯域を減らして滑らかに動くようになります。
まとめ

Chromeリモートデスクトップを使えば、自宅のPCをいつでもどこからでも操作できます。まずはChromeウェブストアから拡張機能を追加して、リモートアクセス用のPINを登録。スマホや別のパソコンからChromeアプリを立ち上げれば、すぐにつながって作業がはかどります。
ファイル転送やマルチモニター対応など、プログラマーならではの応用テクニックも活用すれば、オフィス環境とほぼ同じ感覚で開発や資料確認が可能です。これで出先でも安心して作業できる環境が整ったので、ぜひ試して快適なリモートライフを楽しんでください。