いざMacで作業している最中に、職場のWindowsへ急いでアクセスしたいのにChromeのリモートデスクトップの設定がうまくいかず戸惑っていませんか。
ここでは、長年の現場経験で培ったノウハウを基に、Mac側の拡張機能導入からPIN設定、遠隔操作を快適にする小技までを順を追って紹介します。操作画面の動きを重くしない設定や、社外ネットワークでも安定させる裏ワザなど、つまずきがちな部分を丁寧に解説します。
手元のMacと離れたWindowsを素早くつなぎ、どこにいても安心して作業を進めたい方は、次の章から一緒に設定を始めてみませんか。
MacにChromeリモートデスクトップを用意してWindowsとつなぐ流れ

MacとWindowsをつなぐ手順はシンプルで、アプリを入れて設定し、あとは接続するだけです。
- MacでChromeリモートデスクトップをインストール:App Storeから公式アプリを入れて、Googleアカウントでログインしておく。
- Windowsにリモートホストを設定:Chromeブラウザで拡張機能を追加し、ホスト名とPINを決めたら「リモートアクセスを有効にする」をクリック。
- MacからWindowsへ接続:MacのアプリでWindowsホストを選び、PINを入力すればすぐに画面が表示される。
この流れを押さえれば、あとはネットワーク環境を整えるだけで快適にリモート操作できますよ。
公式アプリを使うやり方

公式アプリを使うやり方は、Chrome拡張機能やネイティブアプリを通じて最も手軽にリモート接続を始められる方法です。Googleアカウントでログインするだけで、Mac側もWindows側も設定がシンプルにまとまり、面倒なファイアウォールの設定やポート開放が不要です。
この方法は、普段Chromeブラウザを愛用している人や、社内ネットワーク越しにサーバー操作するときにも役立ちます。画質やレスポンスも十分で、細かなキーボードショートカットも引き継がれるため、プログラミング作業や資料作成など負荷の高い操作にも向いています。
①MacでChromeウェブストアを開く
まずDockやLaunchpadからGoogle Chromeを起動します。
アドレスバーに「https://chrome.google.com/webstore」と入力してEnterキーを押すとChromeウェブストアのトップページが表示されます。
画面右上に自分のGoogleアカウントのアイコンが見えれば、ウェブストアの利用準備は完了です。
Chromeが最新でないとウェブストアの表示や拡張機能の追加でエラーになるかもしれません。メニューバーの「Chromeについて」からアップデートしておきましょう。
②Chromeリモートデスクトップを追加する
MacのChromeを起動して、アドレスバーに「chrome.google.com/webstore」を入力してアクセスします。最新バージョンのChromeを使うとスムーズです。
ストアの検索欄に「Chromeリモートデスクトップ」と入力して拡張機能ページを表示し、「Chromeに追加」をクリックします。ダイアログで「拡張機能を追加」を選ぶとインストールが完了します。
ChromeリモートデスクトップはGoogleアカウントと紐づくので、同じアカウントでログインしておくとMacとWindows間の切り替えがスムーズです。
③メニューバーのアイコンからセットアップを始める
画面右上のメニューバーにあるChrome Remote Desktopのアイコンを探します。もし隠れていたら、拡張機能アイコンのピンマークから表示できます。
アイコンをクリックすると小さなウィンドウが開くので、「リモート アクセスのセットアップ」を選んでください。
するとGoogleアカウントの認証画面が表示されるので、Windows側で使うアカウントを入力してログインしましょう。
メニューバーにアイコンが見当たらないときはSafariの拡張機能一覧でChrome Remote Desktopが有効か確認してみてください。
④表示された接続コードをWindowsに入力する
WindowsでChromeリモートデスクトップを開き、「アクセス」タブにある入力欄へ先ほどMacに表示された12桁のコードを正確に入力します。
コードを入力したら「接続」ボタンをクリックし、MacからWindowsへのリモート操作が始まるのを確認します。
⑤接続が確立したら画面共有を許可する
接続が完了するとMacのChrome上に画面共有を求めるダイアログが表示されます。「画面全体」を選び共有をクリックしてください。
もしダイアログが出ない場合は、Macの「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」→「画面収録」でChromeにチェックを入れて再度やり直しましょう。
ブラウザだけで試すやり方

Windows側に特別なアプリを入れず、Chromeブラウザだけで遠隔操作を試せます。急ぎで画面共有したいときや、ソフトをインストールできない環境でちょっとだけ操作したいときに便利です。
手順はシンプルで、Chromeのサポート用サイトで表示されたワンタイムコードをMac側に入力するだけ。セッションを切断すれば一切の履歴が残らないので安心して使えます。
- インストール不要:Windowsにホストアプリを常駐させずに接続できる
- ワンタイムコード:画面に表示された番号を使うため安全性が高い
- セッション終了で痕跡なし:作業が終わったら履歴が残らないから安心
①Macでremotedesktopgooglecomを開く
お使いのMacでSafariやChromeを起動して、アドレスバーにremotedesktop.google.comを入力しEnterキーを押してください。
②自分のパソコンタブをクリックする
Chromeリモートデスクトップのアクセス画面で、上部の「自分のパソコン」タブを探してクリックしてください。強調したいところは、タブのパソコンアイコンが目印です。
これで登録済みのPC一覧が表示されます。もし接続したいPCが出てこないときは、Windows側でリモートホストが動いているか、同じGoogleアカウントでログインしているかを確認しましょう。
③セットアップを選びホストをインストールする
Chromeで「remotedesktop.google.com/access」を開いてください。自分のデバイス一覧の下にある「セットアップ」ボタンをクリックします。
案内に従ってWindows用のインストーラー(.msi)が自動でダウンロードされます。ダウンロード後にファイルをダブルクリックしてインストールを進めてください。インストール中にPINコード設定画面が出るので、パスワード代わりになる数字4桁以上のPINを入力します。
インストールには管理者権限が必要です。管理者アカウントで実行してください。
④PINを設定してWindows側に同じPINを入れる
Windowsパソコンを開きChromeで「https://remotedesktop.google.com/access」にアクセスします。
自分のPC名の右にあるペンアイコンをクリックし「PINを変更」を選びます。
半角数字6桁以上のPINを入力して「保存」を押します。
MacのChromeリモートデスクトップを開き、Windowsパソコンをクリックします。
表示されたPIN入力欄に、先ほどWindows側で設定したPINを入力して「接続」を押します。
PINは他人に知られないよう、予測されにくい数字列を選びましょう。
⑤接続ボタンを押して遠隔操作を開始する
接続先として表示されたWindowsマシンのアイコンをクリックしてから接続ボタンを押します。初回はPIN入力画面が出るので、ホストPCで設定した数字を入力してください。
PINを第三者に知られると不正アクセスのリスクがあるので、入力後はPINを忘れないよう管理してください。
つながったあとに広がる便利ワザ

リモート接続が成立したら、こんなワザが使えると作業効率がグンとアップします。
応用技 | できること | プログラマー視点のコツ |
---|---|---|
クリップボード共有 | テキストや画像をコピー&ペーストでやりとり | 不要な情報は都度クリアしてセキュリティを保つ |
ファイル転送 | ドラッグ&ドロップでファイルをMac↔Windows間で移動 | 大容量は事前にZIP圧縮すると転送が安定する |
モニター切替 | 複数ディスプレイの画面を簡単に切り替え | ⌘+Tabでウィンドウ間を素早く行き来 |
リモート印刷 | Macのプリンタ設定を使ってWindowsから印刷 | 最新ドライバを入れて互換性を確認 |
リモート音声 | WindowsのサウンドをMacで再生 | ネットワーク負荷が高いときは音質優先モードに切替 |
ファイルをドラッグしてコピー

MacのFinderからリモートデスクトップのウィンドウへファイルをドラッグするだけで、手間なしにWindowsへコピーできる方法です。追加の設定は不要なので、ちょっとしたドキュメントや画像をサクッと移したいときにすごく便利です。
ただし、大容量ファイルやフォルダ構成が複雑なケースだと転送に時間がかかることもあります。こういった場合には、まとめて圧縮してからドラッグすると効率よく移動できます。
MacからWindowsへファイルを送る方法
Chromeリモートデスクトップの画面右上にあるメニュー(⋮)をクリックし、ファイル転送を選択します。
表示されたダイアログでMac上のフォルダをたどり、送りたいファイルを選んで「開く」をクリックします。
転送完了のメッセージが出たらWindowsのエクスプローラーを開き、「ダウンロード」フォルダにファイルが届いているか確認します。
WindowsからMacへファイルを受け取る方法
Windowsとつながったまま、ファイルをサクッと受け取るコツを紹介します。Chromeリモートデスクトップにはファイル転送機能があるので、手軽にWindowsからMacへコピーできます。
画面上部の青いバーにマウスを移動するとツールバーが表示されます。
はさみのようなアイコンをクリックすると、ファイル転送ダイアログが開きます。
Windows側のエクスプローラーが表示されるので、Macへ移したいファイルをチェックします。
Macの保存先フォルダを選び、「ダウンロード」をクリックします。
指定したフォルダをFinderで開き、ファイルが来ているかチェックします。
大きなサイズだと時間がかかることがあります。通信環境が安定しているとスムーズです
ソフトの設定を遠隔でいじる

Chromeリモートデスクトップを使うと、手元がMacでもWindows上のソフトはまるで現地で操作しているように扱えます。設定画面を開いてプラグインのオンオフや起動引数の追加もスムーズにこなせます。実際に複数の開発環境を切り替えるときも、移動中のカフェからMacだけで細かいチューニングを終えられたので、時間の節約にもなりました。
管理者権限が必要なレジストリ操作やエディタのテーマ設定変更なども問題なく対応できます。ネットワーク越しで動きが遅いと感じる場合は解像度を落とすとサクサク動くのでおすすめです。慣れてくるとソフトの挙動やログ出力をリアルタイムでチェックしながら、手元のMacで作業を進める感覚がクセになります。
解像度を調整して動きを軽くする
リモート接続中、画面上部にある歯車アイコンをクリックして設定パネルを開きます。
「画質・解像度」メニューで低画質(1280×720)など、現在より一段階下の解像度を選びます。
文字が小さくて見づらいときは「ウィンドウに合わせて拡大縮小」機能のチェックを外し、手動で拡大率を調整しましょう。
解像度を下げると送受信データが減るので、画面の動きが格段に軽くなります。
マイクとスピーカーを切り替えて音声を共有
リモートセッション中に画面上部中央あたりにカーソルを移動するとツールバーが出てきます。
ツールバーのマイクまたはスピーカーアイコンをクリックして、表示されたリストから使用したいデバイスを選択します。
あらかじめMacの「システム設定>サウンド>入力>出力」でデバイスを正しく認識させておくとスムーズです。
トラブル時に画面を見せて相談

エラーが出たときは文字だけで説明すると「あれ、どこだっけ?」と行ったり来たりになりがちです。画面をそのまま見せながら相談すると、状況をぱっと理解してもらえて無駄なやり取りが減ります。
Chromeリモートデスクトップなら、クリックひとつで相手に自分の画面を共有できます。操作中のイライラや言葉のすれ違いがなくなって、相談相手も「今ここをクリックしてみて」とピンポイントでアドバイスしやすくなります。
ちょっとしたポイントですが、画面共有中はチャット機能やリモコンのポインターを活用すると、プログラマー同士のミニマルな会話でスムーズに問題解決できます。まるで同じ部屋で隣に座っているような感覚で進められるのでおすすめです。
接続コードを発行して相手に共有
Chromeブラウザでremotedesktop.google.com/supportにアクセスして「コードを取得」をクリックしてください。
表示された6桁のコードをコピーして、チャットやメールなどで相手に送ってください。
接続コードは30分だけ有効なので、送ったらすぐに相手に確認してもらいましょう。
アクセスを終えたら即オフにする
接続を終えたら、メニューバーのChrome Remote Desktopアイコンをクリックして「切断」を選びます。
これでWindows側へのアクセスがすぐにオフになります。
切断を忘れると他人にアクセスされる恐れがあるので、作業後は必ずオフにしてください。
よくある質問

接続が頻繁に切れる場合はどうすればいいですか
- 接続が頻繁に切れる場合はどうすればいいですか
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有線LANに切り替えるかルーターに近づくと安定します。実際に自宅で試したところ、2.4GHz帯を避けて5GHz帯へ固定したら途切れが減りました。
リモート中にファイルを転送する方法はありますか
- リモート中にファイルを転送する方法はありますか
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Chromeリモートデスクトップにはクリップボード共有機能があるため、Windows側でコピーしたファイルをMac側にペーストすると転送できます。社内で大容量ファイルを渡すときに便利ですよ。
複数人で同じWindowsに同時接続できますか
- 複数人で同じWindowsに同時接続できますか
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標準ではリモートセッションが一つだけ有効です。どうしても複数人で操作したいときは、別アカウントを作成してWindowsのリモートデスクトップ機能(有料版)を併用すると実現できます。
Macの画面が真っ黒になったら?
接続して真っ黒な画面が続いてもあわてないでください。これはMac側の省エネルギー設定やハードウェアアクセラレーションが影響していることが多いです。Chromeリモートデスクトップの設定画面でハードウェアアクセラレーションをオフにしたり、システム環境設定の「省エネルギー」からディスプレイスリープを無効化したりすると、すぐにWindowsの画面が表示されるようになります。
キーボード配列がうまく合わないときは?
手元のMacキーボードがWindowsで思い通りに入力できないときは、おおまかに次の3つの方法があります。
- Windows側でキーボードレイアウトをMacと合わせる:設定画面から言語と入力方式を変更して物理キーと文字コードを一致させます。
- Chromeリモートデスクトップの送信キー設定を調整する:特定のキー(半角/全角や英数キーなど)を正しく中継するようにカスタマイズできます。
- Mac側でキーマッピングツールを使う:Karabiner-Elementsなどでキーごとの割り当てを細かく設定し、Windowsへ送る信号を自分好みにできます。
どの方法も難しい手順はなく、使いながら調整できるので、自分がよく使う記号やショートカットに合わせて試してみてください。
音が片方のパソコンからしか出ないのはなぜ?
- 音が片方のパソコンからしか出ないのはなぜ?
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Chromeリモートデスクトップはリモート側の音声をローカル側に転送する設計です。
そのためMacから操作している場合はWindows上の音がMacから聞こえる一方でWindows本体のスピーカーからは出なくなります。
逆にMacの音をWindows側で鳴らす機能は用意されていません。
補足として両方で同時再生したいときは仮想オーディオドライバ(VB-Audioなど)を導入して音声を分岐させる方法が使えます。
通信量はどれくらいかかる?
Chrome Remote Desktop利用時の通信量は、接続先の解像度とフレームレートによって変動します。一般的な設定(1280×720、30FPS)ではおよそ50~150KB/s程度です。フルHD(1920×1080、60FPS)だと200~300KB/sになることもあります。
動画再生や高リフレッシュレートを要求する用途ではさらに増えますので、モバイル回線を利用するときは画質を落としたりパフォーマンス優先モードに切り替えて通信量を抑えると安心です。
セキュリティは大丈夫?
リモート接続を使うときに心配なのがデータ漏洩ですよね。Chromeリモートデスクトップは接続する際の通信をエンドツーエンドで暗号化してくれるので安心感があります。
さらにGoogleアカウントでデバイス同士をきちんと認証して、接続する際にはPC側で設定したPINコードが必要になります。たとえIDとパスワードが知られても、PINがなければアクセスできません。
外出先のWi-Fiを活用するときはVPNを併用して通信経路をもっと安全にしたり、Chromeを最新版に保ってセキュリティパッチを逃さないようにするといいですよ。
これらがあれば普段使いのPCやノートでリモート操作しても十分に安全と言えます。
まとめ

MacにChromeリモートデスクトップをインストールしてWindows側でホストを設定し、MacからPINを入力するだけでデスクトップを操作できる流れをおさらいしました。プログラマー視点のワザとして、表示解像度の調整やMacとWindowsのショートカット併用で作業効率を上げるポイントも紹介しています。
これでリモート操作の基本が身につきました。あとは実際に使いながら、ファイル転送やマルチモニター対応などの応用テクニックにもチャレンジしてみてください。快適なリモートワーク環境がすぐに整いますよ。